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東国の勇者の場合23

 脱衣所には自分がこれから切る服だけが置かれていた。

風呂上り後も扉を一枚挟んではいるが、一人にしてくれていた。風呂に入る前にいろいろとごねた結果、気を使ってくれたのだろう。

 服はこの世界の物が新たに用意されていた。見た目的には、とてもかっちりとした洋装のように見える。だが、材質自体はとても柔らく動きやすい。まるで着物の様だ。そんな風に考えながら見ていると、着物にボタンを取り付けて、着脱をしやすくした感じにも見えてくる。リニアさんの服装もそうだったが、この国の和洋折衷感は少し不思議な感じもする。

 そういえば、昨日国王にあった時にいた権を持った少年、あの少年の服は和洋折衷のような印象は受けなかった。色は真っ白で詰襟の制服の様だった。帯剣をしていたから軍人なのだろうか。それにしては訓練場にいた人たちはもっと簡素な服装だった気もする。要は軍人の正装と感がるのが自然か。

 服装からみられる文化というのは多種多様であるというのを教えてくれるいい機会かもしれない。もっと街に出て観察をしてみたくなった。

 脱衣所から出るとリニアさんが立って待っていた。

「お待ちしておりました。」

そういって頭を下げる。

「ありがとうございます。」

自分もそういって会釈で返した。

この世界にきてからずっとこの感じだが、なんだか心の中に違和感のようなモヤモヤを感じる。

 やっぱり自分が丁重に扱われるということに対して嫌悪感があるのだろうか。しかし、昨日一日のリニアさんの対応を見ているとやめてくれと言ったとしてもやめてはくれないだろう。何か理由をつけて断られるのが目に見えている。どっちみち自分が折れて慣れなければ解決はしないのだ。

 そんな自分の気も知らずにリニアさんは涼し気に廊下を歩いていた。

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