プロローグ 女神の間にて
今、女神の目の前には4人の男女が並んでいた。男が3人に女が1人、同じ高校の制服を着た公庫旺盛であるが何れも眉目秀麗の者たちだ。
その者たち全員が最初にとった行動は戸惑いあたりを見回すことだった。しかし、1分も経たぬうちに4人はバラバラの対応を取り始める。
事態を把握したのか、少し笑顔になりあたりを見回し観察し始める者。
何かが襲ってくると警戒し、身構えるもの。
なにも理解できず、怯えてただ立ち尽くすもの。
そして、不敵な笑みを浮かべながらこちらを睨んでくる者。
そしてここで1つ重要なのはその4人の少年少女たちは互いと女神の姿は一切見えてないという事実。なぜ見えないのかそれは、簡単に説明してしまえば女神の力によるもので、なぜそうしたのかは、言ってしまえば女神の気まぐれだ。
そしてこの後の女神の一言一句、一挙手一投足が女神にとってはただの気まぐれとなってしまう。しかしそれは、彼ら4人にとっては強い足枷となり、救いの道標となり、はたまた絡みつく運命となる言葉である。
たちが悪いのは女神がそれを解っていないということそれだけだった。
「「よくぞ来た、新たなる勇者たちよ!」」
今、4つの英雄譚がはじまる。