初配信
さて、かつて遊んでいたゲームの世界で目覚め、弱肉強食の世界で生きることを決めた俺はというと………
「あ、あ〜。聞こえますか〜?」
今現在、配信の準備をしていた。
何で、配信の準備をしているのかって?
まぁ、本音を言えば……俺みたいに、【Re:Fantasy】の世界に転生した仲間を探すためのツールとして、使うことにしたってわけだ。
あ、そうそう。
ちなみに、ステータスやメニュー画面も確認することが出来たが……
個体名:無し
種族:白兎
レベル:1
体力:10/10
魔力:10/10
攻撃力:1
器用さ:1
持久力:1
瞬発力:2
知力:1
スキル:無し
予想してた通り、弱い。
唯一高い瞬発力も2だし……やっぱり、俺の人生はハードモードってことか。
『聞こえますよ〜』
お!!どうやら、配信は無事に始まっているようだ。
「初めまして!!俺の名前は……」
アレ?前世の頃の名前が浮かばないや。
もしかして、転生したからなのか?
「じゃなくて、俺は白兎。お察しの通り、【Re:Fantasy】の雑魚モンスターだ。とりあえず、シロと呼んでくれ」
俺がそう言うと、その瞬間
『は?』
『なるほど、白兎になりきっているのか』
『雑魚モンスターを名乗るVtuberかよw』
『てか、スキンの完成度高いな』
と、続々とコメントが来ていた。
あ〜....やっぱり、こういう反応になるのか。
そう思っていたら
〈白兎の個体名をシロに登録しました〉
「え?」
突然、謎のアナウンスが流れたのだった。
「ドユコト?」
『自分で名乗った名前が個体名に登録されてるw』
『何か、テイムした時の名付けみたいな感じだな』
視聴者からのコメントを見る限りだと、ゲームの世界での俺の名前が、シロになった……ということか。
『でも…普通、プレイヤーに個体名って付くのか?』
『それ思った』
『主さん何者?』
確かに……個体名のあるモンスターのほとんどは、テイムされたモンスターだし、よくよく考えてみれば、野良のモンスターに転生した俺に、名前が付くこと自体が、おかしなことなのかもしれない。
というか、ゲームの世界に俺が転生している時点で、おかしなことだけどな。
「まぁ、名付けのことは置いておくとして……」
『置いておくんかい!!』
おぉ、ツッコミが来た。
「この配信では、基本的に、俺がサバイバルしている様子を配信する予定だから、よろしくな!!」
『了解!!』
『やってみた系の配信者か』
『いいね!!』
『(((o(*゜▽゜*)o)))』
こうして、俺は配信者デビューをするのだった。
こういう配信系っていいよね...