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女神は思った。何が駄目だったのか。
10tでも駄目なら、もっと重いものでなければならぬ
――ロードローラーしかない。かくして女神はロードローラーを佐藤に突っ込ませた。
女神はここで間違いを犯した。
10tトラックは総重量が10tなのではない、積載量が10tまでなのだ。車両総重量は20tを超える。
ロードローラーの重量はそれを超えるものではない、完全なる失策。
そのうえ大した速度も出ない。これでは10tトラックの方がマシである。
案の定佐藤は生きていた。
メリメリとローラーに飲み込まれ、骨やら血やらが大変なことになっている。
しかし先の事故に比べれば、その足取りは軽い。
「問題ありませんよ、運転手さん」
目指すは校舎、進むは勝手知ったる慣れた道。
勉学が、彼を待っていた。
女神は顔を赤くした。自らの車両知識の浅さに、恥じ入った。
しかし敗北を認めたからこそ、彼女は強くなる。涙の数だけ、強くなる。
女神の3連敗、しかしその目には闘志の炎が燃え続けている――。