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 一年前の、あの時の通学路。

 同じ時間、同じ場所に、佐藤は戻ってきた。

 そうだ、これが自身の望んだ世界だ、早く学校へ行かなければ。

 確か今日の一限目は数学だったな。そんなことを思い出しながら。



 ――突如佐藤は、轢かれた。

 10tトラックであった。


 運転手が降りてくる。

 血相を変えて? 否、その顔は不敵に笑っている。

 運転手は――女神であった。



 最早傷ひとつ付かぬ佐藤も、流石に動揺する。何故女神さまが、ここに?

 そんな無敵の佐藤を前に、彼女は思いの丈をぶつけた。

 ただただシンプルな、思いの丈を。




「あなたを……転生させたい」




 佐藤は、全てを察した。

 女神の想いが、その瞳から、声音から、溢れている。

 かくして、全てを受け止めてきた佐藤は、言うのだ。

 あの文言を、いつもの調子で、あの温かさで。




「問題ありませんよ、女神さま」




 そこには確かな「関係」があった。

 名状しがたき関係――友情とも、恋愛とも違う。しかしそれらより遥かに尊い関係。

 かくして女神は今日も佐藤を殺さんべく策を練り、佐藤は勉学に励まんべく通学をする。


 彼らの美しき闘争は、何人にも止められるものではなかった――。




 ~Fin~

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