第5章 紫色の"遺"志(ᚹᛁᛇᛚᛖᛏ ᚹᛁᛚᛚ)・登場人物紹介
<カノン側陣営>
『ヴァイロ・カノン・アルベェリア』―心優しき暗黒神
当物語の主人公である魔法剣士。
フォルデノ王国の貴族バンデの館付近で白い神竜20騎と地上部隊を率いる途方に暮れそうな戦力引っさげ現れた戦之女神軍を、シアン率いる亜人の兵と己が弟子達で迎え撃った。
結果は圧勝。然もヴァイロ自身は手ぶらの勝利。
なれど敗北宣言を告げた白銀の女神から正体を明かされ茫然自失。
自らが従属する護りの女神の魔道を何故か操る戦之女神の中身は、ファウナが愛慕したレヴァーラだと聞いた。新たな謎が増えてしまった。
『リンネ』―ヴァイロを愛する緑髪の横柄な吟遊詩人
ヴァイロの弟子達をまとめ上げるしっかり者な吟遊詩人。
ヴァイロの影から生まれた黒い神竜と共に戦場で争い、多大な戦果を挙げた。
ノヴァンが成長するには欠かせないリンネ。そのリンネ自身もノヴァン共々力を高めたらしい。
レアットとの戦闘では、本来敵から浴びせられる魔道の威力を半減させる為に使う『音の波』でレアットへ音の雫を落とし、異能を封じる結界と成した。
『ノヴァン』──暗黒神が生み出した漆黒の神竜
ヴァイロが召喚した黒き神竜。
白い神竜に比べ炎の息に勢いがなかったノヴァンであったが、リンネが起こした『音の波風』の力を借り初戦の借りを大いに返す破竹の躍進を遂げた。
ヴァイロがリンネの声音を用い与えたノヴァンの生命。シグノより成長の伸びしろがあるのだろうか。
『ミリア』―ヴァイロに心惹かれる防御魔法のエキスパート
暗黒神側、硬い防御特化の少女。だが『白き月の守り手』で敵を封じ込める結界の役割を果たす。
さらに防御呪文最強『新月の守り手』の防御力を拳や脚へ割り振り、生意気な新参者レアットを殴打する転身をみせた。
愛焦がれるヴァイロから勝手に姓名を奪いミリア・アルベェリアと名乗ることで吹っ切れたのかも知れない。
『アギド』―冷静沈着な青の魔法剣士
戦之女神との一戦に於いて、ミリアが『白き月の守り手』にて封じ込めた敵軍を『葬送の獲兜』を用い心臓から凍結させた面目躍如。
なれど師ヴァイロから依頼された義勇兵集めは『少年』と小馬鹿に罵られ役目を巧く果たし切れずにいた。
特に岩のような剣を扱う蛮勇レアットからは相手にもされず苛立ちが募った。
然しレアットが異能に目覚めた際の話を聞き遂げると、彼にも思い当たる節があったらしい。
同じ『嘗ての厄介者』同士として、ヴァイロからレアットの面倒をみるよう言い包められてしまった。
『アズール』―紅の爆炎魔導士
ヴァイロの弟子最年少──真っ赤な出で立ちで爆炎系呪文をこよなく愛する。
戦之女神軍相手に、白い神竜毎焼き払う爆炎最強術式『紅の爆炎』を繰り出す。
思う存分その力を見せつけた様に思えたが、その術式さえ戦之女神に斬られ戦慄を覚えるのであった。
『シアン・ノイン・ロッソ』──美貌と強さを兼ね備えた傭兵
紫の色彩と加担した側を必ず勝利へ導く別名『戦の天秤』
亜人推しの貴族バンデから預かった亜人の兵達をヴァイロから押し付けられ辟易するものの、戦之女神軍との初戦に於いては総司令として能力を遺憾なく発揮。
同じ竜として神竜より遥かに劣る飛竜を戦闘機の如く操り、敵を翻弄させ異名に違わぬ活躍を存分に見せた。
然し貴族バンデの怪しい動きに不覚にも気圧され脅威を抱いた。
『レイチ&ニイナ』──人間シアンに付き従う森の子供達
シアン・ノイン・ロッソに付き従うハイエルフの子供達。
レイチは戦之女神軍との初戦。勇気の精霊『戦乙女』を扱い、地上部隊をナイフの二刀流にて乱舞しながら血祭りに仕留めた。
ニイナは同じ争いにて、護りの女神の呪文『雷神』を詠唱。
壊乱する戦之女神軍の地上部隊へ森を焼き払い逃走経路を態々設けた。
逃げ惑う戦之女神の愚かな兵隊は、哀れリンネとノヴァンに依り燃やし尽くされ、二人の成長に於ける苗床に転じた。
『カネラン&ルチエノ』──バンデに付き従う有能な亜人の代表格
コボルトと云うより狼男と近しい巨躯なるカネラン。
若草色の切り揃えた髪に赤と青の瞳が特徴的な美顔のハーピーであるルチエノ。天使と呼んでも差し支えない容姿。
共にシアン・ノイン・ロッソの指揮下に入り、戦之女神軍の地上部隊を地上と空の両面から挟撃する役目を存分に果たした。
『レアット・アルベェラータ』──岩の如き巨大剣二刀を操る蛮勇。
義勇兵志願者としてカノンへ来た16歳の少年。背丈が異様に高く、身体つきも頑強な男。
実は暗黒神ヴァイロ・カノン・アルベェリアに喧嘩を挑みに来たのだ。自身の背丈より長いが刃こぼれだらけの鈍を軽々振るう。然も二刀。
剣を振る度、嵐の様な風が吹き荒れ、レアットの相手をヴァイロから依頼されたミリアとリンネを困惑させた。
この風こそ異常が過ぎる巨大剣を扱える理由──レアット・アルベェラータは大気の力で剣を押す異能者であったのだ。だが当人ですらその事実をまるで理解していなかった。
ミリアとリンネに敗北を喫し、当初の約束通り義勇兵と成った。大気は何処にでも存在する。レアットが成長出来れば更なる飛躍が期待されるのだ。
『エターナ・アルベェラータ』──戦の女神の奇跡を扱える少女
アギドとシアンがカノンで集めた志願兵の内、扱いに困るもう独り。
彼女の場合、レアットよりも複雑な事情が在るのだ。
『エルメタ』──バンデより派遣されたハーフエルフの変り種な医者
人間の医者を父に、エルフを母に持つハーフエルフ。森に迷い込んだ男達の精気を吸い尽くす精霊『ドリュエル』を女体化させて、生命力を逆流させて回復役をさせる離れ業をやってのけた。
ハーフエルフ──人に在らず、エルフにも在らずな彼女。エルフの隠れ里にも人間界にも居場所がなかった。バンデのお陰で今の居所が出来たと云っても過言ではない。
<ロッギオネ側陣営>
『エディウス・ディオ・ビアンコ』―白銀の女竜騎士
戦端を開き、森の都ラファンの首都ディオルを20騎もの神竜シグノを引き連れ無血で落とした。
勢いそのままカノン・フォルデノ王国・ラファン境目付近からやはり白い神竜と地上部隊も引き連れ、正義の白を纏い遂に暗黒神側と一戦交える。
なれど空の部隊はシアン・ノイン・ロッソ率いる飛竜部隊に翻弄され、高台を取る戦の常識を捨てた地上部隊は、ほぼ完璧に潰える敗北を喫した。
然し『雷神』が使えるハイエルフのニイナを指し『あのエルフ、ファウナと契約を結んでいるな』と護りの女神を呼び捨て。
挙句の果て自らを『レヴァーラ』とヴァイロへ向かい名乗る軽率ぶり。
ファウナを敬愛するヴァイロの顔から戦勝の笑みを完全に消した。
レヴァーラ・ガン・イルッゾ──150年前、シチリア島の名を『Adonーnorth』に変え、世界最先端をゆく都市、現人神を抱いた街『Forteza』を造った女性。
エルフではない、あくまで人間。生きている道理がないのだ。
『ルオラ・ロッギオネ・ルマンド』―エディウスに恋焦がれた一番弟子
戦之女神の秘密を知り尽くしている感がある彼女。『レヴァーラに囚われないで』と絶叫し、焦がれた白銀の少女の暴走を止めた。
『レイシャ・グエディエル』―黒い二刀流の美麗な豪傑
戦之女神軍、白い神竜を駆る空の部隊に付き従っていた彼女。
未だ18騎も残っているシグノと自分達さえ無事であれば、充分戦えるにも関わらず撤退を余儀なくされた。
好敵手だと決めつけたシアンが破竹の勢いを見せる最中、歯軋りするより他なかった。
──エディウス・ディオ・ビアンコの思惑や如何に?




