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僕はやたらと、隣のお姉さんが気になって仕方がない!

作者: 七瀬








“僕はやたらと、隣のお姉さんが気になって仕方がない!”

僕の住むぼろアパートの隣に住んでいるお姉さん。

僕の両親は? お父さんは僕が産まれた時に既に居なかった。

お母さんが言うには、“事故で亡くなったらしい。”

でも実際は、“若い女性ができて家を出て行ったと僕は叔父さんから

こっそりと聞いていた。”

そんなお母さんも、飲み屋で働いていて、ロクに家には帰って来ない!

飲み屋で知り合った男の家を転々としているみたいだった。

僕はたまに僕の様子を見に来てくれる、叔父さんが面倒を見てくれる。

叔父さんは子供もなく、結婚もしていない!

今は婚活中で、“未来のお嫁さん候補を探して頑張っているらしい!”

僕もそんな叔父さんを陰ながら応援しているんだ。





・・・そんな僕の住むぼろアパートの隣に若い女性が引っ越してきた。

こんなぼろアパートに引っ越してくるなんて! 

絶対に僕は訳アリだと思ったんだ!

借金を踏み倒して逃げているとか? しつこい男から逃げているとか?

何らかの理由がなければこんなぼろアパートなんかに引っ越してこないよ!





【コンコン】


『は-い!』

『坊ちゃん1人? お母さんかお父さんは居るかな?』

『“お父さんは居ません! お母さんもいつ帰って来るかわかりません!”』

『えぇ!? ずっと一人なの?』

『“ほとんど1人です! ただ叔父さんがたまに僕の様子を見にきてくれ

ます!”』

『“叔父さん?”』

『“お母さんの弟です!”』

『あらそう、じゃあまた改めて挨拶にこようかな。』

『お姉さん、一人でココに引っ越してきたの?』

『なんでそんな事を聞くの?』

『“ぼろアパートだし、若い女性が1人で引っ越してくるような場所じゃない

と思ったからだよ!”』

『“そうね、そうかもしれないわね、”』

『僕! たまにお姉さんの部屋に遊びに行っていい?』

『いいわよ! いつでも来て!』

『ありがとう!』






その日の晩、お姉さんが僕の部屋に来てこう言ったんだ!



『“カレー作り過ぎちゃったから、一緒にご飯食べない?”』

『うん!』




僕の隣のお姉さんの部屋は? 僕のおんぼろの部屋と違って凄く

女の子らしく、可愛い部屋だったんだ。



『あら? 女の子の部屋に入るの初めて?』

『・・・あぁ、う、うん。』

『さあさあー座って! 直ぐに用意するから!』

『うん。』




僕は初めて“お母さん以外の女性が作ったカレーを食べた!”

カレーだけど、お母さんの作るカレーと違って、少し辛く感じた。

この時の僕は、大人になった気がしたんだよね。



『“ゆっくりして帰ってね!”』

『えぇ!? いいの?』

『私も1人だし! 誰かと一緒に居た方が寂しくなくて済むわ!』

『ありがとう!』

『“いつも一人で、寂しくない?”』

『もう慣れたよ!』

『・・・そ、そう、』

『そんな悲しい顔しないで! 僕は大丈夫だから!』

『そうね! 君は強い子だもんね!』

『うん。』







・・・僕はこの日から、ほとんど毎日! 隣のお姉さんの部屋に遊びに

行くようになったんだ。

お姉さんも僕が行くと、凄く喜んでくれたよ。

そんな時、叔父さんが僕の様子を見に来たんだ!



【コンコン】


『将司? 居ないのか?』

『“お、叔父さん?”』

『えぇ!?』

『・・・どうも、』





お姉さんが、今までの経緯を丁寧に叔父さんに話してくれると?



『“そうか、お前もこれで寂しくないな!”』

『うん!』

『甥っ子の事、よろしくお願いします!』

『頭を上げてください、将司クン! 凄くいい子で私も助かってるんです!』

『コイツ、たまにワガママも言いますけど、』

『えぇ!? いつも素直ですよ。』

『“猫被ってるだけで!”』

『叔父さーん!』

『悪い悪い!』

『“二人を見てると? 本当の親子みたいですね!”』

『姉貴がだらしない女だから、将司をこんな寂しい想いをさせて! 本当に

情けない姉ですよ!』

『“お母さん、たまに家に帰って来てさ、ケーキとか買ってきてくれるよ。”』

『“あんなのに騙されるな! 直ぐに新しい男見つけたら、また出て行くような

女だぞ!”』

『・・・・・・』

『すみません、見苦しい話で、』

『・・・い、いえ、』

『“お前は俺が絶対に、幸せにしてやりたいと想ってるんだ!”』

『・・・お、叔父さん、』

『姉貴の罪は俺が償うよ!』

『“素晴らしいですね!”』

『ありがとうございます。』

『叔父さんも一緒に食べようよ! ご飯冷めちゃうよ!』

『そうだな、』

『さあさあー 口に合うか分かりませんが、どうぞ!』

【いただきまーす!】

【はい、召し上がれ~!】












 *









・・・ココから半年後!

叔父さんは、僕の隣のお姉さんと結婚した!

僕は二人の養子になる。

“僕達3人は、家族になったんだ!”

夢見ていた! 念願の家族を僕は手に入る!

これでやっと、家族という幸せな場所を僕は見つけたよ。


『“お父さん! お母さん! これからもよろしく!”』

【・・・将司、】

【・・・将司クン、】

『“僕ら3人は、家族だよ!”』


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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