― ひざまくら ―
……
…
ねえ?
こっちを向いて?
ねえ??
…
―-――
――
―
あなたの握るハンドルに
なりたいな、と、思いこむ
あなたの隣に居続ける
この瞬間を止めたくて…
あなたの枕に顔うずめ
残る香りを嗅ぎたくて
あなたの眠る横顔に
ずっと落書きしてた日々
そっと脳裏に映し出す
ずっとわらう横顔に
すっと笑顔で話し出す
落書きペンをナイフに変え
あなたの記憶を切り刻む
あなたの記憶に切りつける
私を想うあなたを削いで
あたしを見る目を突き刺して
私をなじる喉を裂き
甘いしずくを零させる
私を見下ろすその瞳
闇を斬るような その光
ギラギラ鈍く鮮明に
きらきら輝くその汗と…
忘れることなぞ出来ぬのに
消し去ることなぞ出来ぬのに
今は膝に眠るキミ
なんの夢を見てるのか
見下ろす姿か並ぶ影か
二人でわらった日々なのか
私の膝で横になり
私の腕に抱かれる
あなたの頬に落書きを
あなたの指で落書きを
あなたが指した方向に
行ってみたいと思えども
あなたが握るハンドルに
なりたいな、とは、思えども…
今は膝で眠るキミ
今は腕に抱えれるキミ
殴る腕も蹴りつける脚も
すっかり無くしたこの姿
ずっと抱きとめ抱え込む
ぎゅっと抱きしめ抱え込む
あなたと過ごした穴蔵で
ずっとわらい続けるよ
狂い続けるワタシの腐臭
ずっとソコに居続ける
ずっとソコに居続ける…、……、…、
…
……
…
…
ね。