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海辺にて
夕暮れの砂浜で彼女は笑っていた。
「砂場はダメなのに砂浜は大丈夫なのね」
おどけて笑うメアリー。
男はメアリーの手を取る。
「君は僕の全てだ。産まれる前から君を知っている」
ええ、知っているわ、とメアリーは男を見つめる。
男は本当に産まれる前から彼女を知っていた。
だって、こうやって砂浜はで手を取り合うのは2度目なのだから。
波が足元のと沙をさらっていく。
心地いい風と海水の冷たさ。男の高鳴る鼓動を落ち着かせた。
「メアリー、君を愛している。これから一生君のそばを離れない。結婚式してくれ」
夕日がメアリーと男を照らす。
琥珀色に染まった海が2人の愛を見届けている。
「ええ、貴方を愛しているわ」
男はそっと彼女の頬にキスをした。