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RE: BIRTH  作者: かさぶた優
2/7

体内にて

 ドクン ドクン

 脈打つ音が響く

 心は空虚に

 生物の胃袋を思わせる袋の中

 息苦しくてもがいていた。

 血の匂い。暗闇の中、生暖かい液に包まれて男は意識を取り戻す。

 ここから出なくては。

 そう思い、もがく。

 狭い出口は肛門を思わせた。

 はやく、はやくここからでなくては!

 男は、まず頭だけをねじり出した。

 ま、眩しい。光が男の眼孔に針を刺す。目を閉じていても感じる光に声を上げる

 「おぎゃーおぎゃー」

 声にならない叫びで生きていることを知らせる。

 無数の人影が男を囲む。

 少しづつ少しづつ、男は胃袋から引っ張り出される。

 そして、優しい声の女性が男とをそっと抱いた。

 「私の坊や。愛しい坊や」

 男は全てを理解する。

 メアリー、僕は君を置いて生まれ変わってしまったようだ。

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