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プロローグ

私は、孤独だ。

ずっと、ずっと前までは、笑い合って、じゃれ合って、共に切磋琢磨する、そんな仲間がたくさんいた。


でも。


居なくなった。

私だけが生き残った。


生き残ってしまった。


私は泣いた。

泣き叫んだ。

元凶を恨んだ。


そして。


私のココロは壊れてしまった。

残ったのは、仲間との楽しい思い出と、仲間を失った孤独と憎しみだけ。


私は憎しみのままに、全てを壊していった。

もういない仲間を想い、涙し、残された感情のままに暴れまわる戦闘機械(オートマタ)と化した。


私はそれでよかった。


仲間たちの、そして、私の旦那様の仇を討てるのなら。


私は元凶を討った。

私はこれで、やっと仲間たちのもとへ、最愛の旦那様のもとへと逝ける、と歓喜した。

久しく忘れていた正の感情だった。

それでも私は壊れていた。


会いたかった。

どうしても会いたかった。

また、あの日のように笑い合いたかった。


でも。


でも。


皆を殺した彼奴らを。


許すことはできなかった。


彼奴らさえいなければ。


彼奴らがいたから。


皆は殺された。


仲間たちの中でも異端であり、最強だった旦那様でさえ。


彼奴らには敵わなかった。


悔しかった。


後悔もした。


何より。


仲間たちと共にいれなかった私に。


嫌悪した。


私が尊い血を持つ者だから?

私に生きていて欲しかったから?

私が大事だったから?

私が皆よりも、旦那様よりも_____強かったから?


そんなの。

知らない。


知らないよ………


皆が居なくなるくらいなら………

私は生きていなくてよかった………


私は生きているのが楽しかったんじゃない。

皆と生きているのが楽しかった。


何度も嘆いた。

何度も後悔した。

涙も流した。


それでも、生き続けた。

皆が、仲間たちが生かしてくれた命だったから。


でも、もういいはず。


仇は討ったし、なにより生きるのに疲れた。

仲間のいない世界に意味なんかない。


だから。


私は命を絶つ。

空っぽのココロを癒してもらう存在がいないこの世界にいる意味なんて。

これっぽっちもないんだから。


そして私は。


命を絶った。

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