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漫才:どんな小説読んだらええ?

作者: 春槻航真

ボケ「なあちょっとさ、お前に相談あんねんけどさ」


つっこみ「なんや?」


ボケ「俺身体弱いやろ?」


つっこみ「そうなん初耳やけど」


ボケ「やからどんなジャンルの小説読んだらええか教えて?」


つっこみ「お、おう……」


……(少し間を開ける)……


つっこみ「身体弱いから外で遊べへんから家ん中で本読みたいからオススメのジャンル教えて?」


ボケ「何俺の言ったこともう一回繰り返しとるん?オウムか」


つっこみ「お前言葉足りなさすぎんねん!もうちょい言葉足せ!」


ボケ「とにかくや、オススメのジャンル教えて」


つっこみ「まあええわ……せやなあ、ミステリーとかは?刑事物とか探偵物とか鉄板やん」


ボケ「あーミステリーな!島田荘司とか絢辻行人とか米澤穂信とか海堂尊とか江戸川乱歩とか有名よね!」(早口)


つっこみ「うん結構知ってはるね?1人時代ちゃう人おったけど」


ボケ「でもなあ……ミステリーって大体人死ぬやん?」


つっこみ「んん?」


ボケ「いや、人死ぬやん?」


つっこみ「いや死ぬけど……」


ボケ「しかもめっちゃグロく死ぬ時あるやん?俺身体弱いからさ、血の描写とか見たらロキソニンがぶ飲みせなあかんくなるねん」


つっこみ「どう言う状況やそれ!ってかロキソニンって錠剤やろ?がぶ飲みすんなそんなん」


ボケ「やないと胃がもたへん」


つっこみ「むしろがぶ飲みする方が胃ぃ弱なるわ!」


ボケ「他の!他のジャンルはないん?」


つっこみ「せやなあ、ファンタジーとかは?最近は異世界モノっていう、ライトなファンタジーが流行っとるし、これなら血も見んで済むやろ」


ボケ「あー異世界モノな!リゼロとかこのすばとか転スラとかイセスマとかイキリ骨太郎とか有名よね?」


つっこみ「なんか最後変なん混ざったなあ……ここにファンの人いたらすんません」


ボケ「でもなあ……あーゆーのって、大体最初に死ぬやろ?」


つっこみ「んん??」


ボケ「死んじゃうやろ?」


つっこみ「そら転生ものやねんから初手死ぬやろ」


ボケ「トラックに轢かれるとか想像しただけで辛いやん?雷落とされるとかもさ、いざ自分の身に起こったらって思ったら怖いやん?」


つっこみ「いやそうやないと話進まんし……」


ボケ「その怖さを思っただけでロキソニンおかずにできるわ」


つっこみ「どこの世界に錠剤おかずにご飯食べるアホおるねん!!」


ボケ「つーわけでパス!」


つっこみ「ほんまこいつ……なら恋愛ものはどうや?これやったら血も出んし人も死なんやろ?」


ボケ「いやそういうんはええわ」


つっこみ「……ま、まあジャンルにもよるけど恋愛物は女性の方が……」


ボケ「何でリア充がいちゃいちゃすんの見るんに金払わなあかんの?意味わからん。ロキソニンぶつけていい?」


つっこみ「大した威力でんやろ……やなくて!何でそんな歪んどるんや」


ボケ「同じ理由でホラーもダメや」


つっこみ「まあ血が出るし……」


ボケ「冒頭でいちゃいちゃしとる第一犠牲枠のリア充見るだけで鳥肌が立つから」


つっこみ「そっち!?」


ボケ「あと血が出るから歴史物ダメ、高校時代思い出すからスポ根ものだめ、エッセイ興味ない、日常系は漫画で十分、コメディは……」


つっこみ「もう自分で作れや!!!!!!!」


……少し間を開ける……


ボケ「何をや?」


つっこみ「血が出なくて人死なへんくていちゃいちゃしてなくてエッセイじゃない作品、自分で作れや!!」


ボケ「……作ってどうするんや?」


つっこみ「んなもん自分で読むんやろがい」


ボケ「お前展開全部わかっとる作品読んで何が楽しいねん!!」


つっこみ「しゃーないやろがいお前が繊細やねんから」


ボケ「お前自分で作った話読んでみ?驚愕の伏線は全部周知、犯人も分かっとるし誰がくっつくかもわかる、設定なんて本より自分の頭の中にある、そんなん読んで何が楽しいん……」


つっこみ「それじゃあ書いてもらえや!!!!」


ボケ「……何をや?」


つっこみ「自分で条件指定して他の人に書いてもらうんや!あれダメこれダメとか言って。それなら読んでも楽しいやろ?」


ボケ「……それ、言われた相手どう思うねん。人が死なん血も出んリア充禁止で作品描け言われるんやぞ?頭抱えるわ」


つっこみ「………それやったらある程度の設定だけお前が考え、でも自由に書いていいところと絶対守って欲しい条件は決めておいて、細かくルールを決めた後で……」


ボケ、つっこみに抱きつく


ボケ「………」


つっこみ「………ここ、俺殴る予定やったよね?台本で」


ボケ「や、コンプラ的にどうかな、と」


つっこみ「そんな理由かい!もっと、『俺の最高の相方だぜ!』的な意味こもっとらんのかい」


ボケ「何それきもっ」


つっこみ「きもいってなんや!ほらゲラゲラの謳い文句、知っとるやろ?」


ボケ「ただ一つ確かなことを証明する」


つっこみ「おお!」


ボケ「ロキソニンが世界で1番腹に効く」


つっこみ「いい加減ロキソニンから離れろや!!」


ボケ「相談は終いや」


2人「どうも、有難うございましたー」

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