事の顛末
僕は赤い絨毯の敷かれた豪華な部屋で座っている。
机をガルド王とシエル王、ロウシと僕の4人で囲んでいる。
そして、3人は僕にこの世界と僕の現状を話してくれた。
「──そういうことでハルキをこの世界に転生させた」
3人の話を聞いて分かったことは多い。どれも信じ難いが……。
どうやら僕は本当に異世界に転生されてしまったようだ。まだ半信半疑だが、まだ夢から醒めないのと五感からの感覚で何となくわかる。
これは現実なのだと。
彼らが言うには召喚される者は選べないと言っていた。僕が転生されたのは偶然だったのだろうか?
それより転生したということは死んだのか?
記憶を思い返しても死んだときっかけなんて何も無い。現世での記憶はベッドで寝たのを最後に途切れている。
転生したことは分かったが、その理由に僕は納得がいかない。
話を聞く限り戦争の和平交渉で何も知らない転生者を王にしようということになったと聞いている。
いくらなんでも適当すぎないか?本当に何も知らない者に王なんてやらせていいのか?
僕はその話を聞いた時に無理だと断った。しかし、決まったことだと許されなかった。
そんな簡単に王を決めていいのかと聞いたが今回の件は特別だと軽く流されてしまった。
色々と引っかかることはあったが無理やり引き受ける流れになってしまった。
「それでは、今後の流れについて話さなくてはな」
ロウシが話を進める。
「まず、ハルキ殿には数日シエル王国にて滞在してもらうことになるな。後に両国の間にあるオルド村へと向かい、そこで王としての任命式を行うとしますな。」
「任命式!?」
驚いてロウシに聞き返した。、
「当たり前ですな。任命式を行わなければ王にはなれませんからな。
そういうわけで、詳しい日程が両国で決まり次第ハルキ殿にお伝えしますな」
そう言ってロウシが立ち上がる。
「今日はこれでお開きとしましょうな。
シエル王には召喚の手筈と王宮に私達ガル ド王国の者を入れて下さり感謝をいたしますな。」
そう言ってロウシとガルド王はシエル王に頭を下げた。
「こちらこそありがとうございます。ガルド王国との友好を築けていければと思います。」
そう言いシエル王も頭を下げた。
「それでは、シエル王よ「召喚されし者」をら頼む。それでは」
そう言ってガルド王とロウシは部屋を出て行った。
部屋にはシエル王と僕だけが残された。
「あなたには王宮の部屋を1つ貸すわ。着いて来て」
それだけ言ってシエル王は部屋から出た。
それに続いて僕はついて行ったのだった。




