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勇者19歳  作者: 河野流
9章 地獄の大地
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9章-2 地獄の大地

こんびにから通りに沿って5分くらい歩いただろうか、建物が少しずつ増えてきた。そしてジョギングなどしている人ともすれ違うようになってきた。

「おはよう。」

「おはようございますぅ。」

少女は出来れば無視したかったが挨拶を返す。少しでも怪しまれないようにと上からも言われているし我慢した。

さらに少し歩いたところ商店街のような所に着いた。そして地下の方に続く階段には「バー」の文字が。あの店員が言っていた酒場とはここのことかな。少女は階段を降り、少し古い扉を開ける。扉を開けた途端、酒臭い匂いが漂ってきた。もう朝だというのに結構人が居た。金髪に染めて、腕には刺青を入れて大騒ぎしてる連中ばかりである。成程こんびにの店員が言っていたことは正しかったようだ。

「お嬢さん、あんたはどう見ても成人には見えないんだが…。」

カウンターでグラスを拭いていたマスターが少女に気が付いた。少女はカウンター席に座る。

「お酒は飲みませんので、お気になさらず~。」

少女はにっこり笑顔で返す。マスターは水を注いだグラスを少女の前に出す。

「それじゃあ、あんたは一体何の用事で来たのかね?」

「ちょっと人を探してるんですぅ。どなたか『ヘルグランド』さんをご存知ないですかぁ?」

少女は客にも聞こえるように言った。客はその単語を聞くと笑い出した。

「ああ?『ヘルグランド』だ?何だ、その中二臭い名前は。」

まあ少女も同感ではある。『地獄の大地』ねえ、全くネーミングセンスを感じない。

「あいつじゃないか、最近ニュースで見たテロリストがそんな感じの名前だった気がするな。そうそうこんな感じの。」

金髪坊主の兄ちゃんが何やら端末を弄り始めた。写真か何かを表示する機械なのだろうか。

「あれ、こいつこの前公園で会った奴じゃね?」

長髪の兄ちゃんは知っているようだった。一件目の酒場で情報が手に入るなら運がいい。

「知ってるんですか!?ぜひ詳しく教えてください!」

少女はその言葉に食いついた。坊主の兄ちゃんはニヤッと笑った。

「じゃあ案内してやるよ。マスター、代金はここに置いとくぜ。」

「ありがとうございます!」

少女は坊主と長髪の兄ちゃんに連れられて店の外に出た。



少女が連れられて来たのは路地裏だった。さっき公園で会ったと言っていた気がしたんだが…。

「嬢ちゃん、かわいいじゃないの。そんなテロリスト探してないで俺らの相手をしてよ。」

「おい、ずるいぞ。まずは俺の相手をしてくれるんだよな?」

坊主の兄ちゃんがいやらしい手付きで少女の尻を触る。もう一人は胸を触ろうとしていた。こんなことだろうと思っていた。少女は胸を触ろうとしていた長髪の男の鳩尾に肘を決めると、そのまま尻を触っていた男を蹴り飛ばす。紙飛行機を思わせるように軽く飛んで行き、そのまま壁に頭をぶつけて気絶したようだった。

「こっちの兄ちゃんは使い物にならないから、代わりにあんたが教えてくれるんだよなぁ?」

少女は長髪の男の襟首を掴む。少女は先程までは可愛らしい笑顔をしていたが、今は邪悪な笑みを浮かべている。人が多い所では周りからの目を気にする必要があったが、このような場所では本性を隠さずに済む。路地裏は少女にとっても好都合であった。

「さあ、知っていることを全部吐いてもらおうか。」

少女はショルダーバッグからダガーを取り出し笑った。


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