ブレークタイム6 水着回だよ、全員集合!
「何やってんだろうな、俺は。」
顔を包帯でグルグル巻いた男、ミイラは森の湖で焼きそばを焼いていた。ブーメランパンツを穿いて。勿論料理をしているのでその上にエプロンを着けている。何の恨みがあるのか胸に大きくエンマ大王のプリントがあり、可愛らしくフリルも付いている。ブーメランパンツにエプロンと人類には早過ぎた姿に水着の女性たちは指さして笑っている。
『この海の家ってのをやってみたいわ。』エンマ大王がそれを言ったのが事の始まりであった。キクノに熱い時期限定で海の家とか言う露店を開くというのを聞いて、それに興味を示してしまったらしい。『やりたい』と言った本人はビーチパラソル差してその下で寝転がっているが。そうして購買を任されているミイラとユリがこうして忙しく働いているのである。しかもキクノはよりにもよってこんな水着を寄越しやがったのだ。もっとまともな物もあっただろうに。
「はーい、ご注文のビールです。」
料理がからっきしのユリは運ぶ係になっていた。挑発的な青のビキニのエンマ大王に対し、ユリは控えめの白のワンピースタイプの水着である。金のショートヘアにとても映える水着だった。
「どうかしましたか、ミイラ。手が止まってますよ?」
ユリがミイラの顔を覗き込む。「ああ」と言いながらミイラは焼きそば作りを再開する。
「いや、その水着似合ってるなと思ってな。」
まあ、胸のサイズ的には控えめな方が向いているだろうな。ユリはそれを聞いて少し嬉しそうな顔をした。
「すみません、私夫が居るので。」
ミイラがナンパしたように聞こえたのかユリはミイラに謝罪した。
「ド阿呆、俺にも妻が居たわ。」
ミイラが思いっきり否定するとユリは少しムスッとした顔をする。そんなユリに焼いた焼きそばを皿に載せ手渡す。
「ほれ、さっさと運べ。」
ユリはミイラに指示されたテーブルまで運んで行った。しかし、ここは労働するための地獄のはずだが、何故こんなに遊び呆けているヤツが多いのか。日頃余程ストレスを抱えているのか派手な水着を着て周りから浮いている女性やナンパしては手荒い歓迎を受けている男性など様々である。
「ミイラ、休憩時間です。お疲れ様。」
タイマーを確認しながらユリはタオルで汗を拭いていた。美少女なんだが、何も感じない辺り健全と言うか。
「何です?ミイラ。」
「いや、何でも。」
「休憩時間みたいね、お疲れ様。」
ビーチパラソルの下でサングラスを掛けながら手をひらひらとさせるエンマ大王。ミイラがパラソルの下に入って来るなりうつ伏せになり、上の水着を外す。
「ミイラ、日焼け止め塗ってくれる?」
大きな胸を隠しながらエンマ大王はミイラを誘惑する。ミイラはそれを見て溜息を吐く。
「一体何処でそんなことを覚えて来るんだか。」
ミイラはエンマ大王の背中に日焼け止めクリームを塗りたくる。液体が冷たかったのか、くすぐったいのかエンマ大王は猫耳と尻尾をピンとさせていた。
「ガキは年相応のガキらしくしとけばいいんだよ。」
「ミイラは私を女性として見てくれてないの?悲しいわ。」
エンマ大王はわざとらしく悲しそうな顔をして見せる。だがミイラは全く動じない。
「もう少し成長してから言え。肉体的にも精神的にもな。」
ミイラはエンマ大王の背中に日焼け止めを塗り終わると、近くの缶ビールを飲み始めた。
「ミイラ、酷いわ。私よりお酒を取るのね。」
エンマ大王は水着を着け直すと泣き真似を始めた。勿論ミイラはそれを無視してビールを飲み続ける。
「ミイラ、ここに居たんですか。」
ユリが焼きそば片手にパラソルの下に入って来た。パラソルの下で座るなり、持って来た焼きそばを食べ始める。こいつは色気をまき散らしているエンマ大王とは対照的と言うか、何と言うか。
「何です?ミイラ。」
「いや、何でも。」




