8章-6 名ばかりの英雄
気付くと俺は夕焼けが見える丘の上に居た。
「おかしいな、さっきまで教会に居たはずなんだが…。」
俺はこの光景はこの刻印を入れた人の記憶だと理解した。そして夕日を背にして立つ人影が一つ。その男は革製の軽鎧を身に付けており、オールバックの髪型が特徴的で、右手に槍を、左手に短剣を装備し、腰に短弓を下げていた。腰には獅子の顔のような紋章の入った布切れを巻いている。周りにはこの男が殺したのであろう死体が転がっている。
この人はいつも孤独であった。天から授かった才によって周りから理解されることもなく、それどころかいつも反感を買ってしまう。周りにどれだけ人が居ようと彼はいつも一人であったのだ。だが私は知っている。そんな彼はいつも民のためを考え、そして守って来た。彼は不器用なだけである。その場で適切な表現方法を知らなかっただけだ。私はそんな彼を愛しく思い、そして支えたいと思ったのだ。
その背中を見てオレは確信した。こいつが生きていること自体が天災そのものであると。ヤツが生きているだけで周りの人間の心は揺れ動かされ、そして争いが起きるのだろう。――の心を弄び、笑っているのだから許せない。オレは一生こいつと分かり合うことはできないだろう。そう思うとオレの心が殺意に染まって行ったのが分かる。そうだ、オレはこいつを殺したくて仕方ないのだ。
複数の感情が俺の中で渦巻いている。彼が愛しい、ヤツを殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、愛しい、殺したい、殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ…!!




