7章-13 力の代償
私達の父親は王であった。しかし、父は王としての才能に全く恵まれておらず、カリスマ性も感じられなかった。事あるごとに勝手に流れついて来た国民に非難され、生卵を投げつけられている姿はとても胸が痛かった。それでも父は一人で戦場に向かって行った。そんな国民や私達を守るためにである。だが、父を守ってくれる者は誰一人居なかった。そこで私達が父を守るための騎士になることを決めた。私には適性が無かったが、生き残ったきょうだい達が戦ってくれるだろう。この「不死鳥の羽」は私達が父を守る騎士の証である、何があってもこれを手放すことは許されない。私は死んでしまったが、父の様に誰かを守れる存在で居られることを祈る。
夜に娯楽街に食材の買い出しに行っていたミイラは帰り道の最中の村近くで野良ミノタウロスが暴れているのを見つけ、木の上から観戦していた。ブレーメンと知らない罪人の男が全速力で逃げている。そこに斧を持った金髪の少女が乱入した。
「あいつは…。」
金髪の少女はミノタウロスの腕を切り落とし、そのままミノタウロスを追撃し、ほぼ一人でミノタウロスを片付けてしまった。当然、その少女は力尽き、その場に倒れてしまう。
「おい、見てるか、クソ野郎。あんたは死んだ娘すらも縛り付けるのか。」
ミイラは倒れた少女に声を掛けたかったが屋敷の方に戻ることにした。
「俺には声を掛ける資格が無いからな。」
明日の朝食の準備がある。ミイラは速足で帰って行った。




