7章-5 力の代償
俺はまだ懸賞金を狙っていること、そしてブレーメンと同盟を組んだことを説明した。村の衆が野次馬に来ていてなかなかに話し難い状態であったが頑張った。
「確かに懸賞金は魅力的ですが、私達にも相談して欲しかったです。」
「騎士とはいえどもこんな胡散臭い奴と娘を同じパーティに入れるのは反対だぞ。」
ローズ達の反応は最もなものであった。野次馬の村の衆も「そうだ、そうだ」と俺の安直な判断を非難する。当のブレーメンも「まあ、そうなるな」と頷いている。俺がこうやって非難されているのはあんたのせいなんだがね。
「どうするんだ、おっさん。このままじゃあんたと手を組めないぞ?」
俺はブレーメンの耳元で呟いた。すると、ブレーメンは何か考えがあるのかニカッと笑って見せる。
「あれだろ?要するにおっさんが信用に足る人物か、本当に戦力になるかってことだろ?」
「まあ、簡単に言えばそういうことだな。」
「奥さん、最近この村では害獣が出ているみたいだな。しかも、とびっきり大きいのが。」
ブレーメンはローズの母に確認を取る。
「そうだな、最近被害が多くて困っているところだ。」
ローズの母は頭を痛そうにしている。言われてみれば村のあちこちに大きな足跡が見えるような。
「それじゃ、おっさんがそれを退治して見せれば信用してくれるかい?」
「本気か?あれは騎士でも手こずるレベルの魔物と聞いているが?」
「何、美しいあんたの信用を得るためだ、そのくらいなら安い物さ。」
ブレーメンが決めポーズを取る。どうやら、ターゲットがローズからローズの母に変わったらしい。
「そういうことだ、勇者様も勿論手伝ってくれるんだよなぁ?」
俺は何か嫌な予感がしてその場を離れようとしていたが、ブレーメンに肩を掴まれる。
「何でそうなる!?」
「坊主、おまえもおっさんを勝手にパーティに加えた訳だし同罪だよな。そしておっさんが居ないと懸賞首は捕まらないぞ?言い切ってもいい。」
確かに騎士程の力がある者が協力してくれないと俺らのようなパーティではあんな危険なダンジョンに潜ることはできないだろう。だが、俺一人手伝った所で何が変わるのだろうか?
「勇者様、おまえには大切な役割を与えてやる。」
大切な役割?一般人の俺に務まるのだろうか?
「ほう、騎士殿、まさかとは思うが…。」
「そのまさかだよ。」
どうやらこの場所に居る俺以外のヤツらは何を言っているのか理解しているらしい。
「それじゃ勇者様、ご武運を。」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。本当に危ない時は私が守ってあげるから。」
ローズとランスは俺の肩をポンと叩く。俺はこれから何が起こるのか全く予想が付いていなかった。




