6章-16 蛇の名を持つ者
「何か困ったことがあったらまた来るのじゃぞ、何らかの力になれるかもしれないからのう。」
スネークがテントの前まで見送ってくれた。よぼよぼと杖をつきながら歩いているのが見ていて危なっかしい。
「それでいつおっさんをお嬢ちゃん達に紹介してくれるんだい?」
ブレーメンは今にもギターを弾きたそうにソワソワしている。『女を口説く時しかギターは弾かない』、そう言ってたしそういうことなのだろう。出来れば紹介したくはないが今後の仕事仲間になる訳である。そういう訳にもいかないだろう。
「今日は確か村で農作業を手伝うって言ってたかな。」
俺が答えるや否やブレーメンは村の方向に走り出す。明らかにこいつはローズを狙っている。確かローズは誰かに美人と言われたくらいで赤面するくらい男に免疫がなかったはずだ。このおっさんなら何かやりかねない、そう思って俺は必死にブレーメンの後を追う。
「ふむ、行ったか。」
スネークは勇者達が走り去るのを見送るとテントの中に戻った。
「儂の予想だと勇者はあともう一回ここに来るだろうし、準備をしておこうかの。」
スネークはゴミ山から一冊の魔導書を取り出す。
「さて、計画の実現はどうなるかのう、実に楽しみだ。」




