5章-8 キングオーク
「すごいですぞ、チグリス様!アトラスが一人で侵入者共を薙ぎ払っていますぞ!」
細い貴族がその得意の千里眼を使って洞窟の様子を報告する。小太りの貴族とリーダー格の貴族が手を合わせて喜ぶ。
「ふふん、流石私の忠実な僕ね、帰ってきたら褒めてあげなきゃ。」
玉座の上で得意げな顔をする少女。ウサギのような耳が落ち着きなく動いている。
「あのライオンマスクも退けたとなるとあちら側の罪人のモチベーションはだだ下がりでしょうな!」
あの神話代の英雄の一人であるライオンマスクが逃げ帰ったのだ。それだけであのオークの成果の大きさが分かる。
「しかしチグリス様、ミノタウロスと罪人の数に大きなダメージを受けてしまいました。ミノタウロスは作ればいいのですが、罪人は教会で蘇生するなり確保されてしまうでしょう。」
「いいわ、ミノタウロスはいくらでも作ればいいもの。罪人もまだ城にいるはずよ。」
ミノタウロスの飼育係を任せた小太りの貴族の報告にチグリスは笑顔で答える。
「計画より遅れてしまうけどミノタウロスの数が揃ったらナイルの屋敷を落としに行くわよ。」
洞窟から出たら騎士団が警備しているが、流石の天界騎士と言えど上位の魔物であるミノタウロスの相手には苦労するだろう。
「もう少しでこの地獄は私の物になるのね、楽しみだわ。」
アニメとかでよく聞くような高笑いをしながら上機嫌なこの城の主は工房に向かって行った。




