4章-3 開幕
「ファイア!」
ローズが炎球を放ちスライムを焼く。だが、残りのスライムがローズに襲い掛かる。
「させません!」
ランスが割って入って大きな金属盾でスライムの攻撃を防ぐ。さらに別方向の防げなかったスライムは右手のボウガンで対処していた。これを繰り返すうちにスライムは全滅した。そして、みんなでドロップアイテムを集める。その時俺はある重大なことに気付いてしまった。
(あれ?俺いらなくね?)
ローズが攻撃役で、ランスがタンク役をしたが、俺は何をした?最後にアイテム拾っただけだ。だからと言って前線に立って剣を振るうと最後に力尽きて死んでしまうし。
「ランスちゃん、ありがとうね。」
「うん、ローズお姉ちゃん。」
二人は何だか距離が縮まっているようだった。ああ、俺も一緒に戦えたらなあ。
「あ、勇者様、危ない!」
先程の残党だろうか1匹のスライムが飛びかかって来た。だがしかし今の俺には盾がある。盾ではじいたあと少しの力を込めて斬れば問題はないだろう。よし、それじゃ盾で受けてー。
バキッ
「あ。」
スライムの攻撃は俺の盾を砕き、そのまま俺の鳩尾に直撃する。
(所詮まな板だったかー。)
俺はその場でダウンしてしまったが、ランスがボウガンでスライムを退治してくれた。
「ゴホゴホ、すまん、足引っ張ってばっかりだな。」
俺は何とか身を起こす。
「大丈夫ですよ、勇者様。」
「うん、気にしなくても大丈夫ですよ。」
二人の厚意がとても痛い。いつかどうにかしないといけないとは思っていたが、このままではいつか二人に置いて行かれてしまう。
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「ふーん、それで私の所に来たって?」
俺は仕事が終わった後、一人で娯楽街の商人、キクノを訪ねていた。あとの二人は他の仕事を受けている。キクノはいつも通り男物の袴を着崩してさらしを巻いた胸が見えていた。
「あと盾の苦情を言いに来た。」
「所詮まな板だ、そりゃ真面目に正面から受けたら壊れるぞ。」
キクノは笑いながら言った。こいつ、簡単に壊れることを分かっていて売ったのか。キクノは在庫の棚を漁っている。
「もやし野郎のあんたにも使えそうな武器ねえ、ダガーは、もう短剣は持っているから要らないか。それじゃあー」
キクノが取り出したのはボウガンであった。
「接近戦ができないのなら遠くから撃てばいいじゃないって話だ。少し扱いが難しいが弓なんかよりは全然簡単さ。」
ボウガンか、ランスも使っていたけどどうなんだろうか。とりあえず善は急げと言う。俺はとりあえずボウガンを使ってみることにした。
「はいよ、まいどあり。」
キクノに料金を支払うと俺はさっさと武器防具市から出て行った。




