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9章-6 地獄の大地
少女は何とか港まで誰にも見つからずに着くことができた。右腕が丸々一本持っていかれているのだ、見つかったら大騒動が起きかねない。少女は隠しておいた物陰から舟を出す。そして舟の上に飛び乗る。
「帰ったら騎士長の前で文句言ってやろう。」
今日は散々な目に遭った。寝不足じゃなければきっと、いやこっちの得物が短剣の時点で無理か。少女はオールを掴もうとした。そこで気が付いた。
「今左手しかない…。」
少女は溜息を吐く。これは帰るのに時間がかかりそうだ。結局両足に固定して漕ぐことにした。これがなかなか思うように進まない。
「これはどれだけ時間がかかることやら。」
こうして少女の舟は港から出発した。




