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2-1

さて、お昼ご飯を食べて二度目のログイン。

今回は宣言通り街を案内してもらうことにする。


「さて、まずは街の説明からだな」

「ファーストリアは最初の街だけあって、プレイヤーに必要な施設はだいたい全部揃ってるの!」

「順番に行こうか」


ファーストリアの中心は、ログイン場所でもある噴水。

「ケアヌの噴水」という名前のこの噴水は、リスポーン地点とワープポイントの機能もあるらしい。


ワープポイント機能は、第二の街以降に到着してから解禁され、一度行った街で登録を済ませておけば自由に行き来ができるらしい。

まぁ行き来するためにはゲーム内通貨が必要らしい。


その近くには、掲示板が置かれている。張り出されている紙とは関係なく、近づいて表示されるポップアップをタップすると、たくさんのクエストが表示される。

クエストというのは仕事のようなもので、その種類は多種多様。

モンスターの討伐や、素材の採取。街のお手伝いなどなど。


実は兄妹に言われフィールドに出る前にいくつか受注してある。

草原に出るモンスターの討伐と、そのモンスターたちから採れる素材の納品依頼。

受注した時と同じようにクエスト画面を開いて達成報告を行う。


モンスターからのドロップは、討伐と同時に自分のストレージに入る仕様。

わざわざ回収しなくていいのは楽でいいね。


「報告完了!」

「それじゃあ次ね!」


そう言って案内されたのは、ギルドと呼ばれる建物だった。


「ここでは何ができるの?」

「ここは簡単に言うとプレイヤーのサポート所ってところだな。チュートリアルの替わりのような戦闘訓練なんかができるのと、素材の売買や掲示板と同じようにクエストの受注なんかもできるぞ」

「え、戦闘訓練してないんだけど…」

「いやいや、お姉ちゃんいらないでしょう…」


そんなことはないと思うんだけどなぁ。

今更だけど戦闘訓練というチュートリアルを受けてみる。

他にも生産訓練もあるみたいなので、これもあとで受けてみることにする。


「戦闘訓練を受ける時はあの教官キャラに話しかけるんだ」

「わかった」


言われた通りに教官キャラに話しかける。


「すみません」

「うん?見ない顔だな。初めてか?」

「はい。シオンと言います。戦闘訓練を受けたいのですが」

「シオンか、わかった。どれを行う?」


教官キャラが腕を振ると、視界にはポップアップが表示された。


「ふーん、色々あるんだなぁ」


基本的な操作の仕方や、ミニゲーム形式のものなど色々種類がある。

いずれは全部やるとして、今は基本のやつだけでいいかな。


「ふむ、基本だな。では行ってくるといい」


教官がそう頷くと、トレーニング用のエリアに転移した。

何mか離れたところに的が用意され、弓矢の説明が視界に浮かぶ。


「ふむふむ、今まで感覚的にやってたけど色々仕様があるんだなぁ」


弓を引くための筋力値と、命中率をあげるための器用値の説明。

風や距離など自然データからかかる負荷現象などなど。


「数値が足りないとどうしても当たらない的なんかもあるってことね。なるほど」


今のところは平均的に振っている数値だけど、プレイスタイルに合わせていじった方がいいのかもしれない。

私の場合は、『鷹の目』があるから遠距離からの奇襲をメインで考えてもいいのかな?


そんなことを考えながら訓練を行う。

訓練自体は特に問題なくすぐに済み、達成報酬としてポーション3個をもらった。


「どうする?終わりにするか?」

「そうですね、今はやめておきます。また来ますね」

「わかった。君は筋がいいようだ。いつでも来るといい。次はゲームもやってみろ。君ならできるだろう」

「はい!ありがとうございます」


教官キャラとの対話を終え、二人のところに戻る。

この間に二人は、ギルドのもう一つの機能を見ていたそうだ。


「卸売りねー」

「そ!このゲーム、生産職の人が自分で作った物を売る方法は三通りあってね」


一つ目は露店売り。

これは生産職自身がプレイヤーとやり取りして行う方法。

戦闘職と直接会うことになるので、顔を売りやすいことやその場で交渉できることがメリットにあがる。

デメリットとしては売買のために自分の時間が拘束されることと、露店システムを使うためにマーケットシートというアイテムを購入する必要があること。


二つ目が、ギルドを利用する方法。

これは商品をギルドに卸して、値段を設定するだけであとはプレイヤーがギルドを通して勝手に購入することができるものだ。

露天売りのように売買への手間はかからないが、プレイヤーと接することはないので常連などはつきにくい。


「なるほどね」

「三つ目はまだ関係ないから少し置いとくとして、お姉ちゃんが生産するんならギルドを通してがいいんじゃない?」

「そうだな。シオンなら大丈夫とは思うが、いきなり露天売りは少し心配だな」


私的にも売買には興味ないし、名前を売りたいとも思わない。

むしろひっそりとやっていきたいから、卸売りの方がいいかな。


「そうだね。そっちで考えてみるよ!」


私がそう伝えると二人ともほっとしたようだ。

そのあとで、いい物ができたら自分たちには売って欲しいと頼まれた。

期待しないで待っててと伝え、私達はギルドを出て次の目的地へと向かう。

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