プロローグ:孤独な世界で、ふたりぼっち。
ずっと、この生活は変わらないものとそう思っていた。
僕とキミ、2人だけだったけど平穏な時が過ぎていた。
時折、キミが苦しそうな顔してたり、寂しそうにしていたりが少し気になっていたけれど。
繰り返す年月、時間と言う概念の脆い世界でそれでも過ぎていった時は僕にその答えを与えた。
キミが望んでいたモノ、それが何なのか僕にはまだ完全に理解することはできないのだろう。
僕がいくら外の世界の話をしても、少し嬉しそうな顔はするけどまだたりない。
きっと、ほかに望んでいるものがあるのだろう。
ここに居ては、何時まで経ってもキミの心の空虚は満たされることはないのだろう、と。
でも出れない。
キミがここから出ることはできない。
いくらそれを望んでも、いくら力を行使しても。
このふたりぼっちの世界から出ることはできない。
笑顔が見たい。キミの一番の笑顔が。
この世界では見ることができないであろうとびっきりの笑顔。
僕が、探してきてあげるよ。
例え、この穏やかな生活を永遠に手の届かないところへ追いやってしまったとしても。
本当にキミが望んでいる、何かを──
それが、キミにとって一番の幸せだと思うから。