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第六話


 あれから一週間ほどたった今日。おれはこれでもか、というほどひたすらにホーンラビットを狩り、食った。もちろん魔法の使用も忘れてはいない。おかげで空腹をあまり感じなくなったし体から力が抜ける感覚にも慣れた。


 魔力表示だけでなく、視覚、聴覚、嗅覚の三つの強化魔法をかけた。視覚は視力だけではなく暗くても周りが見える暗視能力を付加した。

 

 ホーンラビットを喰っていてあることに気付いた。それはホーンラビットを喰うことによって聴力、脚力が微々たるものだが上昇していたことだ。今の俺には20メートルほど離れていても足音が聞こえるようになった。


どうやらあいつ等化け物を喰うと魔力だけではなく体の一部も強化されるらしい。うれしい副産物だ。


あぁ、そうそう今の俺の魔力量は


554/unknown


となっている。


あんまり増えていないが火球を何発か撃っても平気というのは心強い。


 現在時刻は不明。たぶん朝。剣の扱いにも慣れてきたしそろそろ森の奥へ行ってホーンラビット以外の化け物を喰っていきたい。


 なぜならホーンラビットを喰っても空腹感は満たされるのだが魔力の吸収効率が悪くなってきたからだ。決して吸収できないわけではないのだがあまりにも少ない吸収率が十分の一のまで減ってきた。


これ以上ホーンラビットを喰っても魔力の消費>吸収する魔力になってしまう。これはいかん。


というわけで今日からは少し遠出をしてホーンラビット以外の奴を狩ることにした。


さすがにクマはまだ早いと思うが、イノシシぐらいならいけそうだ。


顔を洗い、除去魔法できれいになった剣を持ち森の奥へ行く。


 俺はあたりを警戒しながら歩く。先ほどまではホーンラビットの姿をちらほらと見かけたのだが今ではまったく見ない。そろそろ出てきてもいいのではないのだろうか。


ザッ、ザザッ


(来たか……)


距離は大体12メートルほど、数は…複数いるようだ。ホーンラビットとは違う足音。


俺は剣を構えいつでも反撃できる準備をする。


その間に彼我の距離は6メートルまで縮まっていた。


(来い!!)


俺の思考がわかったのかは知らないが奴らは走ってくる。そしてその姿を現した。


(速い!)


ホーンラビットと違ってそいつらは速かった。俺は慌てて右方向へ飛び込むように前転してかわす。


 すぐに振り向きそいつらを観察する。見た目は狼だ。体長1メートル半、鋭く尖った爪と牙が脅威だ。何より目立つのは毛色だ。少しくすんだ銀色。…シルバーウルフとしよう。


数は三体。さすがにキツイかもしれん。奴らの魔力量は?


140/150 147/156 141/152


……これなら魔法を使っても大丈夫そうだな。俺はすぐに発動できる魔法を思い浮かべる。…身体強化系で脚力強化にしておくか。奴らとの距離を一瞬で縮めることができる…いやそれなら移動強化魔法にした方がいいかもしれん。


願う。短距離移動魔法…


「縮地!!」


 狙うは目の前にいるウルフ。剣を下段に構え魔法を発動させる。一瞬でウルフの目の前まで移動した俺は下段に構えた剣を切り上げる。


 ウルフは躱そうとしたがそれよりも速く切り上げた剣が首を切り落とす。悲鳴を上げることなくウルフは死んだ。


しかし、まだ気を抜いてはいけない。


(あと、二体…)


ウルフたちは仲間が一瞬でやられたからかこちらを警戒して近寄ってこない。


(魔力は?)


499/unknown


(消費魔力54…また中途半端だな。さてどうしたものか)


俺は剣を右下段に構える。


(属性は炎、効果は爆発)


構えた剣が炎に包まれていく。


願う。火炎魔法…


危険と理解したのかウルフたちは逃げようとする。


「遅い…飛焔!!」


剣を居合いのように振るう。炎は二つに分裂し逃げ始めたウルフたちに当たり爆発する。


「ふぅぅー、ちょっとやばかったな。魔法がなかったら死んでいた」


349/unnknown


150か…分裂させたからかな?となると一発75になるのか…


俺は音や匂いなんかで他のやつらが来ないようにさっさと死体を喰う。


(ウサギとは違うワイルドな味だ。しかしいつも思うが、塩と胡椒がほしい)


ここに来てからはすべて素材の味なまま食っている。同じ味だと飽きてしまう。


(…魔法で出すか?)


出来ないことはないだろうが、かなりの魔力を使いそうなので却下。


(贅沢は敵だな、うん)


そんなことを考えている間にウルフを喰い終わる。


556/unknown


ホーンラビットよりはマシかな。喰い終わった俺は、もう用はないので急いでその場を離れる。


次の獲物を探していると金属の塊を見つける。


(また剣かな?)


そう思って近づくとそれは剣ではなく


「盾?」


 かなり錆びていているが形的には盾のようだ。大きさは60センチほど。除去魔法できれいにすれば使えそうだ。


526/unnknown


「おぉー、きれいになった。」


俺は早速盾を右腕に装着する。どのくらい使えるのかはわからないがとりあえずつけてみた。


「無いよりましかな…」


盾を手に入れた俺は獲物探しを再開する。


 結局この後に一体のウルフを殺して食ったがそれ以降は見つけられなかったので俺は拠点に戻って一日を終えた。


588/unknown

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