第十話
すみません遅くなりました。そして短いです。
次の更新は31日までにはしたいと思います。
ブレイズベアーの姿を確認した俺はすぐに行動を開始した。雷剣を剣に纏わせている間に右手に雷槍を構えブレイズベアー目掛けて右腕を振るう。
ダメージは期待していない。縮地で接近するための時間さえ稼げればいい。
雷槍はブレイズベアー目掛けて一直線に突き進む。ブレイズベアーは太い腕を横に振るい、雷槍をかき消した。
雷槍に意識が向いている間に俺は縮地を発動させてブレイズベアーに近づき、剣を上段に構えて無防備な腹目掛けて振り下ろす。肉を切り裂く感触が手に伝わり、雷で肉が焦げた臭いが漂う。
俺は繰り下ろした剣を続けて斬り上げる。
ブレイズベアーは腹を斬られたがすぐに右腕を構えて切り上げられる剣を弾く。
剣を弾かれ硬直している俺は向ってブレイズベアーは左腕を振るう。
(ヤバい!!)
距離を取ろうと縮地を発動させたが遅かった。右からトラックにでも衝突されたかのような衝撃が襲い、勢いよく飛ばされる。
「ぐはっ…」
吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。視界がぐらつき、口の中は血の味が広がる。右腕は何か所折れているのかわからないぐらいグチャグチャになっている。瞬時に硬化をかけたおかげかとりあえず右腕はくっ付いている。
右腕を重点的に治癒魔法をかける。
ブレイズベアーは当然怪我の治癒を待ってくれない。俺の方を向き、両腕を振るう。その指先から無数の火球を打ち出す。
俺は心の中で舌打ちを一つして痛む身体に鞭を打って立ち上がり駆け出す。痛みで治癒魔法以外にの魔法を使うほどの集中力を出せない。それでも必死にブレイズベアーを中心に円を描くように走り火球を躱す。
火球を躱しても地面や木に当たり爆発し爆風が発生する。何度か爆風で足を取れれそうになったが何とかして持ちこたえた。躱しきれない火球は雷剣を消し、飛焔で相殺した。
しばらくしてようやく治癒が完了する。痛みは少し残るが仕方がない。俺は駆けていた足を止めブレイズベアーに向かって走る。
ブレイズベアーは後ろに大きく仰け反り、膨らんだのどから叫びのような声とともに紅炎が口から溢れ出した。紅炎の津波はブレイズベアーに向かって走る俺に迫ってくる。
俺は剣を切り上げ地走りを発動させ紅炎の津波を切り裂く。津波を抜けたが目の前には無数の火球が迫っていた。俺は心の中で願った。
(瞬間移動!!)
願った瞬間俺はブレイズベアー後方10メートルほどの所に立っていた。生きていることに喜びを覚える前に俺は激しい空腹を感じた。
(あれ?おなかすいた…)
視界の左下を視る。
1293/unknown
瞬間移動を使って一気に魔力を消費してしまったようだ。イメージがしっかりしていなかったからなのか、もともと瞬間移動は大量の魔力を消費するものなのか。考えるがすぐにどうでもよくなった。
オナカガスイタ
コロシタイ
クライタイ
コワシタイ
俺は暴れまわるは本能に抵抗することを放棄し身をゆだねた。