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プロローグ『来世は記憶保持の超イケメンでお願いします』

 夜の散歩は楽しい。親には危ないだの言われるが、そんな変な奴なんてまず居ない。つまり、警察にさえ気を付けていれば全く問題はないのだ。まぁ補導されたら面倒そうではある。しかし、そんな事では止める訳にもいかない。


 冬の夜風程気持ちの良い物はない。しかも、今日は雪なのだ。雪というのはわくわくする。童心という物に強く突き動かされ、自転車に跨る自分がここに居る。サイクリングロードを快調に自転車で進む。少し肌寒いかなと考え、スピードを上げた時。


「あっ、やべ」


 気付いた時には落ちていた。冬の川というのはかなり寒いと初めて体感した。体が芯から冷やされる。


「溺死とか焼死ってさぁ、長時間苦しみそうで嫌だよね」


 いつか友達とした呑気な会話が思い出される。確かに、陸がどこも分からずもがき続けるのは辛い。口に水が入る。


「よくよく考えればさ、水が気道に入って窒息死する分けでしょ?」


 せき込み水を吐こうにも水がまた入ってくる。


「溺死体って水流で石とかに当たって損傷してる事も多いらしいよ」


 体中が痛い。寒さなのかぶつかっているのか分からない。感覚が薄れてる。指先が動かしにくい。


「溺死した死体って体内の細菌が原因でガスが発生して、膨張するんだって~」


 死後、親族が自分の死体を見たらどう思うんだろうか?こんな無駄な想像をする自分に気付く。


「将来の夢ねぇ。特に無いけど教師とかなってみたいかも。まぁ、生徒に馬鹿にされるのがオチだな」


「人生百年時代とか言うけどさ?そんな生きたくはないよなぁ。60歳くらいでポックリ死ねたら楽そうだよね」


「今年の抱負は色んな事を継続させる事です」


自分の発言が呪いみたく思い出される。


せめてトラックで轢かれりゃなぁ。



夜なんて寝てりゃ良かったわ。




親の言う事聞いてれば。





本当頭悪いな俺って。





馬鹿な死に方だわ。






親に謝りたいな。








手遅れか。

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