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なみま的魏晋南北クソ君主 Tier 一覧  作者: ヘツポツ斎


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14/17

Tier S 下位【高洋・慕容熙・孫皓・苻生】

【企画全ページ共通エクスキューズ】

 この企画にて紹介される人物たちの事績において重要なのは「史書にこのように書かれている」=「史書がこのように書く必要があった、と評価していた」です。「その人物が実際にそうであった」と言うことではないと、割と強めにご認識下さい。

 つまりキャラクターとして消費するのはアリ、と言うか大切な入り口だと思うんですが「史学的な人物評価に直結させてしまうとあぶないよ」とは書いておきます。


 さて、ついにここにたどり着いてしまいました。ここの4名は納得2名とおいちょっと待て2名の、大変危ういバランスの芳しいページとなりました。中でも、いやその、慕容熙くんさぁ……さすがに君がSって、なに???

 まあ、合議には従うのです。確かにある意味Sに入るのも納得なので。では参りましょう。


 なお、見出しは

 名前(生年-即位年-没年 時代・国諡号)

 とあらわします。



○10位 高洋(526-550-559 南北朝後期・北斉文宣帝)


北斉を弱体化、後期は狂気と残忍な行為。(DeepSeek)

前半は有能な建国皇帝、後半は酒で人格崩壊→殺戮マシーン化。(ChatGPT)

英雄と狂人。人を鋸で挽き、その骨で琵琶を作る。裸で化粧をして練り歩く。北斉の狂気を体現。(Gemini)

後半の狂気で国政を混乱させた。酔って臣下や妃を殺害、皇后を裸で群臣に見せる。有能な君主から狂人への急変。(Claude)

北斉文宣帝。狂気殺戮・近親相姦・酒乱。北方最悪皇帝の一人。(Grok)

享楽と残虐で北斉を衰退させた。(Copilot)


偏差順位45:わりと一致

 うそっまさかのSランク最下位!? まあ仕方ないですね、この人の段階じゃ国体そのものはむしろ北周をいじめる立場のままでしたし。とは言えあまりにもおもしろエピソードが多すぎて、文字量をある程度抑えようとしている身にはそのエピソードの怒濤ぶりをもってクソと言いたいレベルです。ここでもやはり与力氏の記事を貼りましょう。

『昏君列伝~南北朝のイカれた皇帝たち・後編~』

ameblo.jp/zeppeki-man/entry-11246998058.html

 さて、こちら側に戻ります。高洋が語られた史書、北斉書の来歴を見てみましょう。親子二代の編纂で、父の李徳林は北斉から北周に移り隋で死にました(ちなみに息子が李百薬で、一般にはこちらが編纂者とされる)。まぁ高洋を悪魔化する確率めっちゃ高いです。「お前高洋の治世を直に見てたんだろ? じゃありのままに治世書けるよな、あ り の ま ま に(文学的表現)!?」が出ます。出てないかもしれないですけど、とは言え北周ってそこまで正統を言い張れる道義的確かさ持ってなかったと思うんですよね。なら、北斉で実際に出回ってた噂話も余裕で採用されるでしょう。ありのままだね、間違ってないね!

 とは言え、噂が出回るようなら、やっぱりそこに接続しうる何かはあったってことにもなります。高緯の項で示した勲貴官僚恩倖のトリレンマは、北斉建国以前からこの国を蝕んでいたようです。なら、どれだけ高洋が適切な采配を振るいきれたのか、については同情に値するレベルだったのかもしれません。乱行を決めてもおかしくないでしょう。けどそうしたストレスによる乱行について、民や後世人が斟酌してやる必要もないんですよね。一人の苦しみを理由にして万人億人を苦しめていいはずがないので。

 なので高洋はまあ、悪魔化を差し引いても十分最悪だったんじゃないでしょうか、ねッ★



○9位 慕容熙(385-401-407 五胡後期・後燕昭文帝)


後燕を衰退させ、暴君的な行為。(DeepSeek)

愛妃一人にベタ惚れして政治を放り投げた結果、後燕滅亡を決定づけた人。

夜間の馬車遊びと残酷な処刑がセットで語られるタイプ。(ChatGPT)

皇后・苻訓英への愛が狂気。真夏に氷、真冬に生土を要求し、運ばせた民を殺戮。葬儀のために門を壊すなど奇行満載。(Gemini)

後燕を滅亡寸前まで追い込んだ。愛妃の墓を暴いて抱擁、死体と同衾、大規模な土木工事で民を疲弊。ネクロフィリア的行為。(Claude)

後燕崩壊。妻の死体崇拝・異常葬儀・残虐。(Grok)

享楽と残虐で後燕を滅ぼした(Copilot)


偏差順位42:わりと一致

 いやお前ここで見ていい名前じゃないっしょ?

 後燕は慕容垂死亡後、一気に衰退しました。慕容宝をクソ君主として扱いましたけど、いやいや北魏にどんだけ抗えたのよ、みたいなところを思えば、後燕君主なんて基本全員罰ゲームなんですよ。慕容熙もそうした衰運待ったなしの中に即位し、それを押し留められなかった、なので、結果を重んじるこのランキングでは、個人的には良くてBです。あと立場的にこの国の末路がクソでないと、慕容熙を滅ぼし、そのあとを継いだ北燕(北魏でドチャクソ権勢を誇る馮氏が建てた国)の正当化が揺らぐ。なら悪魔化もドギツくなる。そういう理論値もわかる。それにしても、ここ???

 じゃあ、なんでここなのか?

 突き抜けすぎてます。所業が。

 慕容熙は皇后を愛してました。すごく大好きでした。彼女のために頑張りました。その結果が亡国に転がり落ちる贅沢だったとか過度の労役による民の虐待だったんですが、まあそんなのをここまでクソ君主ムーヴにぬるま湯からゆっくり煮立ててきたみなさまに特筆はしません。したけど。問題は皇后死後の振る舞いです。

 泣きながら死姦しました。

 ……うん、さすがに「潤色ひどくね?」案件ですよね。けどね、晋書にこう書かれるんですよ。「啟其棺而與交接」。ここで交接は、漢文における由緒正しきセックスの隠語です。慕容熙の行為のヤバさを否定するには、この二文字をどう解釈するか、が求められます。自分には無理。

 で、この皇后。苻堅の親族なんですよ。

 つまり結果から遡ると、後燕という国にとどめを刺した慕容熙は、苻堅の親族に常軌を逸するレベルで入れあげまくった末に国を滅ぼしました、となります。

 いや、これはもう激烈自己愛天王苻堅による、自分を裏切った慕容垂への世代を超えた復讐というしかないのでは……?



○8位 孫晧(242-264-280呉滅-284 三国・呉末帝)


呉を滅亡させ、暴君として有名。残忍な行為多数。(DeepSeek)

猜疑と残虐と酒色。重税と徴発で国力を蕩尽。一族・臣下への苛酷な処刑・拷問が常態。三国最後の砦だった呉をグダグダにして西晋に食べられる原因をほぼ一人で作る。(ChatGPT)

呉を滅亡させたラストエンペラー。剥皮刑、酒の強要、引導を渡した暴君の鑑。(Gemini)

呉を滅亡させた。眼球をえぐる、顔の皮を剥ぐなどの残虐刑、大規模な粛清。当初は名君を装っていた豹変ぶり。(Claude)

呉滅亡の直接原因。皮膚剥ぎ・目抉り・宮女虐殺など異常残虐。史上最悪暴君の一人。(Grok)

残虐と奢侈の極み、呉を滅亡に導いた「クソ君主筆頭」。(Copilot)


偏差順位29:結構分散

 まあ納得。

 今回の基準を改めて書くと国体破壊50悪行40キチガイボーナス20なんです。基本的には孫晧みたいなひとほど上位に来るパラメータ設定にしてます。すでに何度も語るとおり、悪魔化のありようの可視化こそがこのランキングの主眼なので。なんだったら孫皓がトップでもおかしくはない、くらいの基準にしたんですよ。ただ、そうはならなかった。

 孫皓が置かれたのがどんな状況かと言えば西晋の天下統一を最後まで阻みました、そのストーリーを西晋人の陳寿が編纂しました、なので、悪魔化されないはずがありません。もちろんここでも繰り返しとなりますが、悪魔化されていないのにこれかもしれませんし、真偽のほどは不明です。なにはともあれ、理想的クソ君主になる環境及び才能が最強とは評価できるかな、って思うんです。

 ただ現実がどうかって言えば、クソ君主としての現代の知名度は劉禅に完敗です。さすがに司馬衷には勝ってる気もしますけど。ともあれ孫晧に与えられてるロールは「滅ぼされるべくして滅んだ」なので、朱子学的価値観におけるあるべき姿からの乖離度をはかれば、限りなくゼロに近いんです。なら、悪いは悪いけど、朱子学の名分論を侵さないので、変な話ですが「ただの暴君末代」的に処理されています。いやもちろん国を滅ぼした君主なんて普通に糾弾の対象ですが、劉禅や司馬衷ほど変なうんこがつきづらい、と言うか。

 そして、最後にここも言っておきましょう。このランキングは、孫晧を劉禅や司馬衷より上位に据えられるような基準を持ち込んだものです。D下位のところで言った通り、飽くまで独断と偏見です。あなたはあなたの基準で彼らを見てください。それを思い思いに語るのが、一番楽しいと思います。そして、他人の語りを否定せずに「違うもの」として、「違う」なりに楽しみましょう。

 将来楽しいだけじゃ済まない学術探究に進むにしても、楽しいがベースにあった方がはかどるに決まってます。



○7位 苻生(335?-355-357 五胡中期・前秦厲王)


前秦を混乱させ、盲目で残忍な行為。無差別殺人。(DeepSeek)

「隻眼の暴君」こと苻生。短期間で前秦をガタガタにした一人。残酷・気まぐれ処刑・迷信と三拍子揃い、苻堅の登場前夜を血の海にした。(ChatGPT)

隻眼の暴君。動物の皮を剥いで生きたまま躍らせる、言葉狩り等の凶行が凄まじい。(Gemini)

前秦の発展を停滞させた。隻眼を馬鹿にされたと妄想し大量粛清、気まぐれな処刑。コンプレックスによる病的な残虐性。(Claude)

前秦崩壊寄与。酒乱・独眼の狂人、随意殺人・異常拷問。(Grok)

狂気の暴君、殺戮逸話多数。(Copilot)


偏差順位40:わりと一致

 第一印象:小説すげえなァ……ナラティヴ……

 ここまで当企画は苻堅を自己愛爆発天王とか激烈自己愛天王とか呼んできました。苻堅ってひとたび自分のやるべきこと決めたらてこでも動かなくなるんですよ。その最たるものが淝水の戦いの前に行われた廷議。臣下だけではなく、妻や子供、信頼を置く僧侶まで反対をくらっていたんです。で、結果はどうか。言うこと聞かないで出征→惨敗。あのひとってなんて言うか、その行動を見ているとそもそも自分の即位が後ろ暗いせいで結果に焦りまくったくさいところがあるんです。何が後ろ暗いか? 苻生の打倒です。

 苻生の伝を読むと、実際に臣下を殺し、親族を殺しています。無体な王だった、んでしょう。ではエピソード類はどうなのか。苻堅のでっち上げじゃない? 感がものすごい。

 苻生が史書に載っている内容のレベルで問答無用の悪であれば、そもそも国内の臣下からの推戴を苻堅が受けて立ち上がるはずです。その気配がないんです。参与したのは宮中にいた何名かの名前が挙がるのみ。さらに、苻生を打倒した後に親族らから盛大に謀反をくらってるんですよね。つまり親類からは苻生を殺すようなやつなら俺のことも殺すかも知れないと疑われている。『洛陽伽藍記』『史通』は苻生の悪魔化に首をかしげています。状況を見ても、両書の記述を自分は支持せざるを得ません。

 そもそもにして苻生の在位期間が短かったため、と言うのもありますが、この時代に前秦の国体ってあんまり揺らいでないんですよ。なんだったら苻堅即位後の方がヤバいです。つまり国体破壊と言う本企画の評価基準に照らせば「う、うん……」にしかなりません。にもかかわらず、こんな高位にくる。つまりそれだけ苻生のキチガイエピソードが強く印象づけられているんです。

 俺としては「え、こんな高位につけるほど?」というのが正直なところです(これはぶっちゃけ石虎についても思うことではある)けど、それだけ悪魔化の楽しさがヤバい、というのも見逃してはならないのだ、と思っています。



○予告


 明日が実質最終回。と言うのも SSS の三人をさほど特別に大きく扱うつもりもないんです。ここまでで話したことの繰り返しになりますし、そもそも問答無用の結果がある三人なので。まぁ問答無用と言えば石虎も侯景も十分そういうレベルなんですが。問題は明日紹介することになる劉子業です。正直、このひともえ、そこ? という気持ちになってます。ただ、集計をしたらここになってしまった。こうした意義を皆さんがどのようにお感じになるか、は正直よくわかりません。まぁクソ君主かどうかと聞かれれば天元突破のクソなので、そこはご安心くださいね☆

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