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深海魚のようにグロテスクで

作者: 蔵樹りん

深海魚のようにグロテスクで

海底のゴミをあさる毎日だ


クジラのように大量の小魚をひと飲みしたい

オルカのように気ままで獰猛な狩りをしたい

でもそれは叶わなくて

見上げながら思うのだ

群れることしかできない雑魚よりマシだと


でも本当にそうなのか?

そんな声が聞こえてくる

群れたいんじゃないのか

群れの一員としてクジラに飲み込まれることすら嬉しいんじゃないのか

おとぎ話のウサギのように

偉大な者に身を捧げるのはとても崇高な気持ちになれるだろう!

群れの仲間とともにそれが出来るならなおさらだ

最後にはきっとひとつになれる


でもそれすら叶うことなく

こうして生きていくしかない

誰もかえりみない醜悪な深海魚だから

その代わりに独自の戦い方を手に入れた

周りを見渡すと同じ姿のものはいない

でもそこにいるのは何かしら共感を覚える影形かげかたち

やはりグロテスクな連中だ

海底は海底でそう悪くはない

今日もここでゴミあさりをしよう

闇の中でからだを震わせた

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