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ある1日

作者: ふるけい





なんと小説家になっていた。


担当者が 他の人気作家に、 


せんせぇ~このチーズケーキ美味しいんですよ~

せんせぇ~ 今度の作品 評判いいですよ?

媚びをうっていた。


ついでと言わんばかりに、オレに言った。


ん、いたんすか

いつも通りでいいっすよ。

でも コアな少数ファンがいなくなったらムリっすから。


ん、コアなファンって誰?


煙とともに じいちゃんが現れた。


ワシじゃ、


えっ、じいちゃん オレのエロ小説読んでんの?


じいちゃんは、


もちろんじゃ ばあちゃんも読んでおる。


えっ、ばあちゃんまで?


ヒイ爺さんも 先祖はみ~んな読んでおるぞ。


ええええーーーえぇ 


先祖にエロ小説読まれてるって、街中で全裸になる

より恥ずかしいわ。

赤面し顔から火が出た。


背中に冷たい汗が流れた。

ん、白昼夢?


お、オレは助かった、夢だったらしい、

ふむ 小説家になっていないから 安心だな。

胸をなでおろした。


その3日後の早朝 外が騒がしかったので出てみたら

薄紫の煙が漂っていた、焦げ臭いにおいもした。

何人かが走り回っていた、サイレンの音もしている。


か、火事だっ、、、


マズい オレはパソコンの電源など全部引き抜いて

それを抱え 急いで外に出た。

大通りには10人ほどが火災の行方を不安そうに

見守っていた。


隣のおっさんが、


兄ちゃん 大きなもの持ってんね?

おれら みんな通帳くらいだよ、持ち出したのは。


えへへへ・・と曖昧に苦笑いして誤魔化した。


もちろんだ、このパソコンの中には オレ自作のエロ

小説が入っているんだから。

これが 誰かに読まれたらマズい。

家族にバレたら、とくに母にバレたら、目をまんまるに

してこっちを見て くるりと向きをかえて無言で走り去る

だろう。


保存はしているが、いつでも読めて書き直せるのは

パソコン上が便利だ。

たまに読み返してみて作品の質を上げたい、

いくら趣味とはいえ、バージョンアップは必要だ。


今 オレが1番恐れているのが 急死だ。


矛盾しているようだが、恥の多い人生ほど唐突に

死ねないのだ。


今日も 豆腐サラダを作っている。












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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い作品だと思いました.
2023/02/09 03:10 もうすぐバレンタインデー
[良い点] なんと小説家になっていた おめでとうございます つなも憧れる〜 お互い頑張りましょう^_^
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