第五話 呪いの少女2
ダンジョンへと向かうことを決めた俺だが、この少女に対して少しの疑問があった。
まず一つ目はに解析を使った時にちらりと見えた魔力値。
もともとエルフは魔法を得意としする種族。そのために皆、魔力値はかなり高く、人間などとは比べ物にならないくらいだ。
そして俺の目の前にいる少女は、俺が今まで見てきたどのエルフよりも高い。
しかもまだ十歳にも満たない少女がそれだけの魔力値を持っているのは異常と言える。
それにもう一つなぜこんな幼い少女がこんなところで一人で倒れているかだ。
普通なら家族と一緒に家にいて看病をしてもらっていてもおかしくない、と言うよりもそれが普通。
それ以外にいろいろと不思議な所があるが際立って気になるのはその二点。
だが、そんなことを気にしている暇はない。
急ぎ少女を助けないと。
だが、この少女をここに置いていくか、それとも連れて行くかなのだが、今回行く癒しのダンジョンは名前程生易しいとこではない。
癒しのダンジョンと名前が付けられたのは攻略の報酬として癒しの薬草と呼ばれるどんな病や呪いでも直すことの出来るアイテムが手に入ること以外にもう一つ理由がある。
それは、このダンジョンのモンスターの出現量にその回復速度にある。一撃与えた後、その後一秒もすればすぐに回復してしまい何事もなかったかのようになる。そのためにソロの冒険者なら伝説クラスの実力を持つと呼ばれるSランク以上の冒険者か、Aランクの精鋭パーティーのみが挑戦することを許されているほどのダンジョン。それ以外の者が挑戦すれば生きては帰れないと言われている。
だからこそ困っている。
「どうしたらいいと思う?」
俺はセンクーに聞く。
「難しいですね。アルク様のこの子を置いていけない気持ちもわかります。ですがあのダンジョンに挑むので有ればここに置いていくべきとも思います」
俺と同じ考えのセンクー。
そんな会話をしているとき、
「せ・せいれいさん?」
少女の口からそんな言葉出た。
俺以外には見えないはずの精霊王。
「こいつが見えるのかい?」
「は・はい! 可愛いです」
本当に見えているようだ。
これは少し驚いたが、高い魔力を持つ者なら見えるのかもしれないと仮説を立てる。
そして、精霊を見ることが出来るとしたら俺とセンクーとの会話を聞いていたことになる。
「わ・私もついていきます。ここで一人でいるのは嫌です!」
弱弱しく感じる彼女の話し方から別の確かな覚悟を感じ取った。
その言葉に俺は、
「分かった! だが決して俺の後ろから離れるんじゃないぞ」
優しく頭を撫でながら言ってやると、
「はい!」
最高の笑顔で返事を返してくれた。
ドッキ!
その笑顔に胸に何かを感じた気もするがまさかそんなはずはない。俺の好みは年上のお姉さん、年端も行かぬ少女に恋をするなんてことは決してない、はずだよな?
少し自分の好みに自信がなくなる。
だが今は、急ぎダンジョンに向かい薬草を取りにいかないと。
「少し急ぐからしっかりと捕まっておいてね、離すと危ないから」
「分かりました」
俺は少女を背に乗せる。
ぎゅっ!
少女が俺の首に手を巻き付ける。
今までに味わったことない感触。
それに俺は何か別の感情が目覚めそうになるが気にしない。
「よっし!行くぞ」
俺は、勢いよく踏切り高く真上にジャンプする。
「ダンジョンの位置は確かあっちかな」
俺は、王都の東の方にある森を見る。
「フライアクセル」
俺は風精霊の力を使い、飛行魔法発動、それに合わせて移動速度を上げる強化魔法も合わせて発動する。
それにより物凄い速度でダンジョンへと向かう。
それから数分でダンジョンの手前に到着。
俺の背中にいる少女は体を縮ませていた。
「着いたぞ!」
ゆっくりと前を向き目を開ける少女。
「ここですか?」
「ああ」
俺たちの教会を模したダンジョンの入り口の近くの茂みに身を隠していた。
「凄く神秘的です」
「ああ、だが中は地獄だ! 俺から離れないでね」
「はいです!」
回復魔法のおかげでかなり元気を取り戻してくれたようだ。
その門の前にいる二人の冒険者。
このダンジョンが凶悪過ぎるが故に誤って低ランクの冒険者が入らないようにするための監視が二十四時間ついている。
まず監視の目を盗んで中に入らないといけない。
「少しの間静かにできるかな?」
「はい、でもどうしてですか?」
「それはこうするからだよ」
俺はカメレオンと呼ばれる魔法を使い周りに風景に同化し他の者から見えなくする。
こうすることで監視の目を掻い潜りダンジョンへと侵入することが目的。
そのために足音を立てずにダンジョンの入口へと近づき門を開ける。
そして中へ侵入。
誰もいないのに扉が開き辺りを見渡す門番の二人。
だが、いくら探そうと誰も見つからない。
そして、自然と閉まる扉。
「ふ~、さすがに問題は犯したくないから成功してよかったぜ」
腕の立つ冒険者が門番だと気配とかで気づかれていたかもしれない。そうなれば戦闘は免れなかった。
そうなれば無駄な時間を使うことになっていただろう。
そんな時間俺らにはないのだから。
そして、カメレオンを解除。
「お兄さん、なんですかこれは!?」
ダンジョンの内の光景にびっくりする少女。
「俺も初めてだ、まさかこんなことになっているとは」
ダンジョン内にろうそくなどの明かりはなくとても言葉で表現しきれない神秘的な光で満ちている。
ダンジョンだと聞かなければここに一生いてもいいかと思えるほどだ。
俺は少女を背中からおろす。
「俺のすぐ後ろをついてくるんだぞ」
「分かりました」
俺と少女のダンジョン攻略がスタートする。
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