第四十七話 1VS1
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二人を水晶の所へと非難させた俺は、鋼鉄の剣士へと戦いを挑んでいく。
鋼鉄の剣士は、鎧を着ているが盾は持っておらず、右手に剣を一本持っているだけだ。
魔力を感じない所から、純粋な近接戦闘特化型と思われる。
見た目から、かなり防御力は高そうだ。
最初は様子見だと俺は、正面から剣で仕掛けていく。
キッーン!
俺の攻撃に対して、鋼鉄の剣士は、防御態勢を一切取らず、鋼鉄の体で攻撃を受け止めた。
少しダメージを与えることが出来たかと見てみると、傷一つ付いていない。
それに、鋼鉄の剣士に剣が当たった瞬間、反動が剣を通して腕へと伝わってきて、少し麻痺してしまった。
俺が、腕の痺れから少し動きを鈍らせていると、その隙を見逃さない鋼鉄の剣士。
先ほどまで、十メートル程離れていたはずが、一瞬にして間合いを詰めてくる。
頭上より振り下ろされる剣。それに対して剣で受け止めようとするが、直感でやばいと感じた俺は、回避を選択。
次の瞬間、先ほどまで俺がいた場所に、剣が突き刺さっている。しかもかなり地面にめり込んでいるところから、剣の重さもかなりの物のようだ。
「笑いたくなってくるぜ!」
俺は目の前の光景に思わず笑いをこぼしてしまった。
目の前にいる相手がかなりやばい奴だと思う。
「もう少し、小手調べと行きますか」
俺は、構えていた剣をしまい、攻撃手段を魔法へと切り替える。
物理攻撃が効かない相手でも、魔法系の攻撃なら通用するはず。
俺は、全属性の魔法を放ち、様子を見てみる。だが鋼鉄の剣士は、魔法を躱そうとせず、全て受け止めてしまった。
そして今度も無傷かと思った。だが、今度は違ったようで、鋼鉄の剣士の体に亀裂が入る。
そのことで、鋼鉄の剣士の動きが変わる。俺の目の前から姿を消したのだ。
「どこに!」
探知にも何の反応もない。
完全に鋼鉄の剣士を見失ってしまった。
「お兄ちゃん! 後ろ! 後ろにいるよ!」
「勇者様! その場から離れてください!」
二人の声を聞き、俺はその場から離れる。
すると、
ズッドーン!
ものすごい音と共に、先ほどまで俺がいた場所に、大きな穴が出来ている。
だが、そこには何もない。
「お兄ちゃん! 上! 上にいます」
俺はヒストリアの声を聞き、上を見てみる。すると、そこには剣を構えた鋼鉄の剣士が、俺目掛けて降りてきている。
俺に向けて振り下ろされる鋼鉄の剣士の剣。
「ウインド!」
風魔法を使い空中で方向転換。地面へと着地する。
その後すぐ、先ほど同じ大きな音と共に鋼鉄の剣士が俺を見ながら立ち上がる。
「こりゃあ、本気を出さないとマジでやられるな」
俺は、鋼鉄の剣士のやばさを再認識した。
そのとき、先ほど放った魔法が、鋼鉄の剣士にダメージを与えたときのことを思い出す。
「まさか・・・・・・な、そんな古典的な手がこの相手に通用するとは思えないが」
昔からどんな固い物でも、熱してから急に冷やすと劣化しやすくなるという。だが、鋼鉄の剣士相手にもその原理が通用するとは思えないがな。
だが、今は少ない可能性に懸けてみるしかない。
そう思い俺は、火と氷の魔法を放とうと狙いを定める。
狙うは亀裂の入った個所。
「ファイアーボール! アイスボール!」
火と氷の初級魔法。発動速度も速く魔力効率もいい。試しに放つにはもってこいの魔法だ。
だが、鋼鉄の剣士も俺の狙いに気づいたのか、さきほどまでのように攻撃を受けようとせず、躱してくる。
それならと、複数のファイアーボールとアイスボールを交互に放つ。
だが、全てをギリギリの所で躱される。
移動速度はさきほどの倍以上。
「やってくれる。さすがはこの封印の間の守護者というわけか」
俺は、少し納得したようにうなずくも、さてどうするかと思う。
「お兄ちゃん! 地面です! 地面を凍らせてください!」
ヒストリアから声が届く。
「そうか!」
相手は全てが鋼鉄で出来ている。地面を凍らせてしまえば対処は出来ないということか。
俺は、
「アイスフィールド!」
周囲の地面を凍らす。
それにより、鋼鉄の剣士は、足を踏ん張ることが出来なくなり、その場で滑ってしまった。
「これならいける」
俺は確信を得た。
複数の火と氷の魔法を発動。その全てを鋼鉄の剣士に向かって放つ。
鋼鉄の剣士は魔法を避けようとするが、足場が滑り、その場から動くことが出来ない。
俺の魔法が鋼鉄の剣士に全て命中する。
それにより、鋼鉄の剣士の体中に亀裂が走り、後、一撃でもまともな攻撃を受ければ倒せる状態に。
俺は、右手に剣を持ち近づいていく。
「なかなか苦戦させられたよ。だが、それもここまでだ!」
俺は鋼鉄の剣士に向かって、剣を真上から振り下ろして。
「楽しかったよ!」
剣を受けて消えていく鋼鉄の剣士に向けて、最後の言葉を贈るのだった。
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