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創造神と破壊神、1000年の旅行記  作者: 那須甥紫依
プロローグ 転生まで
3/7

食事

急に食事が並べられている大きな広間を見て、海斗と真理は目をまん丸にし、

「え?今のは何ですか?急に現れて……え?」

キョドりながらアリアスの方を見る。

「今のは転移魔法とでも言いますかね。まぁ一応神だから。使えますよ。この食事は2人の為に用意しました。お口に合うか分かりませんが。」

その言葉を聞いた瞬間、海斗は勢いよく並べてあって食事に食らいついた。

「これ、すげーうめぇ!!!!」

そうして瞬く間に魚、肉、果物。何でも食べていく。

その様子を見た真理は、

「海斗。行儀がすごく悪い。」

そう言われてようやく気が付いたのか、

「あ、わりぃ。」

そう言って綺麗に食べだした。やれば出来る子である。だが、海斗の勢いは止まらずに、遂には魚と肉を全て食べ尽くしてしまった。少し海斗がしょんぼりとした顔をする。

するとその顔を見たアリアスが、

「お代わりならいっぱいありますよ。」

と言って魔法でまた沢山の料理を出す。贅沢なものだ。

すると海斗の顔はにわかにぱっと明るくなり、また食べ出すのであった。一方の真理は、食事を取ったかと思いきや、匂いを嗅いだり、じっくり見たりして、未だに手を付けない。その様子を見たアリアスが、

「安心して。毒はないわよ。」

と言った事により、ようやく1口目を口に運ぶ。

すると、真理は目をこれでもかと言うほど開き、

「美味しい。」

と言って上品に食べだした。


そうして料理を堪能した後、アリアスから

「明日までまだ時間があるから、少しこの辺を散歩してみては如何?」

と提案され、海斗は真理の方を見る。すると真理はアイコンタクトで軽くウインクをする。その間約1秒。

そうして海斗は口を開き、

「いいんですか?なら近くを見て回ってみます。」

と言う。

そうして海斗と真理は天界を散策する事にしたのである。


天界を回って暫くした頃、海斗は真理の背中を叩き、

「天界って思ったより普通だったな。」

と話しかける。

その瞬間だった。

突然目の前が真っ白になり、数秒後には目の前に大きな樹かあった。更にその樹には、赤黒いさくらんぼの様な果実と、青白い林檎の様な果実が美しく実っていた。

「この樹、大きいし変な果実実ってるー。美味しいのかな?」

おあつらえ向きの喋り方を辞め、素の喋り方に戻った真理は不思議そうに海斗に聞く。

「どうだろうな。俺、食べてみる。」

そう言った瞬間、樹が揺れて、さくらんぼの様な果実と林檎の様な果実、どちらも5つずつ

落ちてきた。

「やめときなよ。なんかやばそうだよー?」

真理は注意するも、時すでに遅し、海斗は林檎の様な果実を齧っていたのだった。その林檎を食べた海斗は目を見開き、

「すげー美味い。真理も食べなよ。」

勧められてしまったので真理も林檎を食べてみる。

すると、爽やかで、かつ後味香る様な果汁が口の中に広がる。

そしてシャキシャキとした食感がアクセントとなり、まるで無限に食べられるかの様だった。

「美味しい……」

思わず口から声が零れてしまった。

真理は今度はさくらんぼの方に手を付ける。

すると今度は濃厚で、芳醇、それでいて何か爽やかな味がした。

小振りな実なので此方も無限に食べれるかの様だった。

「私はこっちが好みかなー」

真理はそう言い、もう1つさくらんぼに手を付ける。

「まりまりまじまり?俺はこっちの林檎っぽいのが好きだぞ?」

そう言い海斗は林檎を食い漁る。

「まりまりまじまりって何なの?まぁいいや、じゃあ私は残りのさくらんぼ、海斗は残りの林檎食べるよ。いいね?」

真理はそう提案する。

「おk。……林檎の方が美味しいと思うのに。」

その提案に海斗は乗る。

そうして落ちてきた全ての果実を食べ終わった直後の事である。

急にアリアスが現れ、物凄い形相で、

「最高神様方の御神木、世界樹の果実を食べたの?」

とアリアスらしくない怒気を含んだ低い声で聞く。

怯えた真理であったが勇気をだして、

「はい。食べてしまいました。ただ、アリアスさんに言われて散歩をしていたら、急にここに転移して。そしたらその……世界樹?から果実が落ちてきたので……つい……申し訳ございません。」

とアリアスに伝える。

するとアリアスが急に驚き、

「待って、今、果実が落ちてきたって言った?」

と聞く。その声色には少し焦りが紛れている気がした。

「はい。言いましたが。」

その瞬間、アリアスは転移し、1秒後には沢山の神々を連れて帰ってきた。

「どうかしましたか?」

真理は聞く。一方の海斗は硬直していて動かない。

すると、アリアスは

「説明するわ。」

と言って説明しだした。

「まず、この樹は世界樹って言って、最高神、破壊神と創造神の2柱の返還……まぁ消滅の事ね。の時の魔力で出来た樹なの。その樹には年中ずーーっと実がなるんだけど、その実を取る為には樹の上空に行かなきゃならなくてね。破壊神と創造神の魔力で出来てるから、上空には神でも太刀打ち出来ない怪物がいるの。その怪物を避けて、実を持って帰って来て、その実を世界樹の元で食べた者が、神になれるの。私も勿論実を取ったわ。どんな神になるかは運次第何だけど、破壊神と創造神には絶対になれない。なるには条件があるらしいんだけどね。これはもう眉唾かどうかさえ分かんないけどね、樹の近くに立ち、自然に果実が落ちてきた者が破壊神か創造神になれるらしいわ。」

そこまで来て、真理はおろおろしながらアリアスに聞く。

「私達……果実が落ちてきたんですが……まさか……」

「分からないわ。でも、1度だけ試して見るわ。痛いかもしれないけど我慢してね。」

そう言い、真理と海斗にアリアスは手を触れ、魔法を使う。

「《強制出力》」

すると2人の体がバチバチと言いだし、真理は赤黒いフードを被った死神の様な少女に、海斗は青白い揺れる炎の様な甚平を来た、正しく神。の様な少年になった。その姿を見たアリアスは、急に跪き、いや、アリアスが連れてきた神々も跪いた。そうしてアリアスが上を向かずに話しだした。

「我らが最高神様。この時を待っていました。」

突然の事に真理と、硬直が解けた海斗は驚き、

「「どういう事?説明して下さい(くれ)」」

その言葉を聞いたアリアスはやはり上を向かずに話しだす。

「貴方様方は、正真正銘、破壊神と創造神の跡継ぎでございます。」

だが、アリアスは悲しそうに続ける。

「しかし、契約の紙に書いてしまった為、その力を持ったまま転生、という形になってしまいます。申し訳ございません。」

真理が口を開く。

「顔を上げて。アリアスさん。それに、その肩苦しい言葉辞めましょうか。私はそういうの好きじゃないんですよ。それに、他の皆様も」

そう言われたアリアスは顔を上げ、

「ありがとうございます。」

と最敬礼をした。

「所で、この姿は何時まで続けたらいいんですか?できれば解いて頂けると有難いです。」

そう言われ、アリアスは慌てて、

「申し訳ございません。今解きます。」

と言って再び魔法を使う。

「《出力停止》」

「ありがとうございます。」

そんなやり取りがある中、海斗は状況を理解出来ず、真理に助けを求める。

「真理、どういう事?俺でも分かるように。」

やれやれ、と言ったかの様な声色で真理は答える。

「あんまりこの例えは使いたくないけどねー……異世界転生する前に創造神としての力を手に入れちゃったぜ!そのまま転生だ!!転生後は創造神としての力を使って俺TUEEEE!が出来るわ!みたいな感じ」

「分かりやすい説明ありがとうございます。」

「創造神と破壊神の能力は理解出来るでしょうか?」

アリアスが気遣って聞いてくれる。

「なんかなった途端頭に入ってきたから大丈夫。」

「差し出がましいことを……失礼しました。」

アリアスはそう言い、更に続ける。

「もう夜が遅くなろうとしていますので、今日はここまでにしましょう。明日は転生させますので、明日、転生後の名前、希望の世界、家柄、関係性などをお聞きしますね。」

そう言われ真理と海斗は上を見る。もうとっくに日は暮れていた。

アリアスが転移魔法でベッドルームまで送ってくれた。

部屋の中はとても綺麗で、かなり広い。しかも豪華な天蓋付。

「やばいねー……」

真理は1人でそう呟く。海斗とは性別の関係上、別の部屋になっていた。

「明日、どうなるかな……」

そう最後に呟き、真理は眠りについた。


余談だが、勿論風呂は綺麗だった。





火、木以外はなるべく毎日投稿にします。(火、木はかなり忙しいので……)

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