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創造神と破壊神、1000年の旅行記  作者: 那須甥紫依
プロローグ 転生まで
1/7

ゆっくり、ゆっくり参りましょう

ーキーンコーンカーンコーンー

無慈悲にも授業の始まりを告げるチャイムが鳴る。皆が真面目に授業を受けている中、不真面目な生徒が2名いた。軽くパーマがかかった、眠そうな目をした少女。

その少女の隣に、ボサボサとした癖毛の、顔立ちが整った少年。その2人は大きな、とは言わないが、ハッキリと先生の耳に聞こえるぐらいの声で話している。

「ねぇねぇ海斗?最近でたこのゲーム滅茶苦茶たのしーよ?今度一緒にやるー?」

少女は隣の少年、夜月海斗に話しかける。

「えっ!?マジで!いいの!?やる!!マジ真理様神!」

海斗はそう言い、少女、いや桜樹真理の方を向き座ったままだがひれ伏す。

一見恋人関係でもあるのかと見えるが、海斗の方は彼女持ちである。真理とは親友で、週5ペースで遊んでた程仲良しだった。

真理が口を開きかけたその時、先生が真理達の方に近寄り、

「お前ら、何度注意すればいいんだ!真理はともかく、海斗。お前はこのままじゃ志望校行けないぞ!?もう受験も迫ってるんだからいい加減まともに授業受けろ!」

海斗の志望校は一般的な大学であり、偏差値は中の上程度、一方の真理は日本でもトップクラスの大学であるが、真理はかなり頭が切れるため、楽々とA判定を取っている。一方の海斗はギリ入れるかどうかのレベルであった。

「はーい。すいませーん。」

やる気なく返事する海斗に、先生は半分呆れ、

「はぁ……本当に授業受けろよ。」

と言って授業を再開しだした。

そうして、一時間目が終わり、休憩時間になった。

二時間目の授業は課外授業だった。

目的地に行く前に大通りの道にある横断歩道を皆で通っていく。

海斗と真理はまた話しており、遅れてしまい、信号は点滅だったので走って通ろうとしたのだが、その時である。横断歩道に突如ボールが転がってきて、それを追うように子供が駆けてきた。

更に追い打ちと言うように猛スピードでトラックが此方に向かってくる。

ーヤバい、このままでは子供が。ー

「危ないっ!」

海斗がそう叫び子供の背中を押す。間に合わない、そう海斗は悟った。そうして海斗は横断歩道にバランスを崩して倒れ込む。トラックが来るまで後約2秒。

ー俺、もう死ぬのか。

そう思った海斗は、悲しみながら体を見る。この横断歩道はかなり荒いコンクリートだった様で、膝や肘、それに額の辺りから血が沢山出ていた。

「はぁ……せめて彼女ともっとデートしときゃよかった……」

大きな溜め息をついて、この世の未練を呟く。もうトラックは真近に迫っている。

その時、1人の人影が海斗に覆いかぶさった。

真理である。

「海斗が死ぬぐらいだったら私が死ぬよー。」

真理はそう言って、海斗を必死に守る。

トラックが猛スピードで横断歩道を通過する。

ーキィィィィ

甲高いブレーキ音を辺りに響かせる。

そして海斗と真理の視界が真っ赤に染まり、そのまま糸の切れた人形の様に意識が途切れる。

残念な事に、子供は助かったが、どうやら真理と海斗は助からなかった。

そうして、雲ひとつないような青い空の元、

クラスメイトの大きな悲鳴を響かせ、真理と海斗の短い人生は幕を閉じた。



皆様初めまして、なすおいしい と申します。この小説はちまちまかいておりますので、投稿ペースは遅く、拙い文章ですが、よろしくお願いします。

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