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059 奇跡

お久しぶりです。いろいろ忙しくて更新に間が開きました、また執筆・投稿を再開します

「おじゃましまーす」

「はい、どうぞ……母は二階です、お茶を出す前にお願いしていいですか?」

「もちろん」


 フロースの家は木製の二階建てで、玄関から見た限りでは割と広く感じた。一軒家としてはスタンダードな部類か。この世界に来る前はマンションの一室で暮らしていたし、こっちに来てからは宿の一室か野宿しかなかったからそう感じたのかな。

 また、鍛冶師であるフロースの父が持つ店舗が別にあって、そっちにも生活スペースがある程度あるらしい。


「この部屋です……ちょっと待っててくださいね。おかーさーん?入るねー?」


 二階は2部屋しかなく、屋根裏部屋に通じてもいないようだ。フロースは、軽くノックした後に右手にある部屋に入った。中が見えないように意識的に視線はずらしておいた。

 数分もかからず、すぐに中からフロースの声が聞こえてきた。


「ユーリさん、入ってきてください~」

「失礼しますね」


 短く声をかけ、部屋に入る。思っていたより狭い部屋だ。ベッドが大きいからそう感じてるのかもしれない。部屋の3分の1は占めているんじゃないかという程大きいベッドでは、フロースの母親であろう人物が上体を起こしてこちらを見ていた。


「はじめまして。フロースの学友のユーリといいます。」

「ごめんなさい、お茶の用意もできないで……はじめまして、ユーリさん。私はフローラよ」

「おや、そっちでしたか」

「そっち?」

「ああ、いえ。こっちの話です」


 フロースを言い間違えてフローラと呼んだが、母様がフローラさんでしたか。うーん、奇遇。

 俺からはフローラさんの上半身しか見えていない状態で、左腕の肘あたりから先が無くなっており、頭に包帯を巻いていた。


「私は友達を連れてきたとしか聞かされていないのだけど……フロースは、もう恋人を作ったの?」

「え、ち、違うよ! その、説明が難しくて……」


 会話は問題なく行えているから、頭の怪我は深いものじゃ無さそうかな。クマダンジョンボス産のエリクサーで十分そうだ。とっといて良かった、エリクサー。興味本位で飲むところだったんだよ、危なかった。


「では、ここでうだうだやってもしょうがないので、終わってから説明しましょうかね」

「えっと……ユーリさん?」

「まあまあ、見ず知らずの男ではありますが、とりあえず……これを飲んでくださいな」

「え、今どこから出して……いや、そもそもこれは何?『鑑定』しても?」

「もちろんですとも」


 フロースはこちらを半信半疑で見ており、不信感を抱いているフローラさんと似た顔になっている。親子アピールか?うん?


「じゃあ、遠慮なく……『鑑定』」

「偽装してない証明は難しいですけど……まあ、俺が今日ここに来てるのは他の人にも言ってるんで毒を盛ったりはないことだけ言っておきます」


 フローラさんは『鑑定』をかけた後、固まって動かなくなったので、信用されそうな要素を伝えておいた。

 しかし、固まったまま30秒が過ぎると、さすがに心配が大きくなってくる。エリクサーが禁薬指定されてるとか……ないよね? 宗教から圧力がかかってて、エリクサーを持ってるだけで討伐されるとか崇められるとかだと面倒くさいが……


「あのー、フロース? エリクサーってダメなの?」

「え、は、エリクサーですか? エリクサーって、王族か超高ランク冒険者しか使わないって言われてるエリクサーですか?……え、これ、エリクサーなんですか!?」


 ……ふむ。法律で禁止されてる感じじゃないのか。あれ、すごいアイテム持ってて驚かれるこの状況、テンプレなのでは? おおー、なんかそう思うと変な気分だな。主人公になった気分だ。

 俺なんかが主人公になるような酷い小説……嫌だなあ。恋愛要素も無ければ感動シーンも無くなっちゃうじゃねーか。


「……ッ、ユーリくん、エリクサーなんて何処で手に入れたの……? いえ、それよりどんな目的が……」

「まあ、勝負の結果です。俺がフロースに負けて、フロースは景品として母親を回復させる薬を求めた。なので、遠慮なくグイッといっちゃってください」

「……正直、理解が追いつかないのだけど。私は、これを飲めばいいのね?」

「その通りです。感謝は、フロースの方にどうぞ」

「……んっ」


 フローラさんは、俺が渡した小瓶を一気に傾け、エリクサーを一息に飲む。

 ちなみに、エリクサーの鑑定結果は以下の通り。

 ────────────────────────

 〇エリクサー


 ・青色の液体。固形・気体に形態変化しない。

 ・HPを瞬時に5000回復する。

 ・身体欠損、病気など関係なく全て回復する。

 ・通常のポーションより含有魔力量が少ないため、一本飲むだけで魔力酔い又はそれに類する症状は出にくい。魔力酔いになっても効果で回復される。

 ・錬金術による作成には以下の要素が必要である。「錬金術(8)」「マンドラゴラの種」「一等級以上の迷宮・ダンジョンボスの魔石」「ドラゴンの涙」「世界樹の葉」「清浄な水」「清浄な魔力」 ────────────────────────


 鑑定結果とは言っても、俺の『鑑定』はレベル最大だし『神眼』も併用してるから、フローラさんよりいろいろ見えてしまっているだろう。



 エリクサーの効果は劇的だった。魔力光に似た色のなにかが欠損部位を形作り、気付くとそれは肌色に──もとの体になっていた。

次の話が気になる

はよ次の話書け

フロースとフローラの胸部装甲はどんな感じだ!


という方、ぜひ下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えていってください!!!


ちなみにフロースはC、フローラはDです。なにがとは言いませんが。

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