053 挨拶
閑話によって、予想通り評価が下がりました。まあ、今出す話じゃないので仕方ないですね。覚悟の上でした。
という事で、053話に置き換えさせていただきます。あれは、クリスマスだけの幻の話、夢の話ということで。メインストーリーが追いついた時、覚えていたらまた投稿します。
たまにこうして暴走してしまうかもしれませんが、離れずに読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします。
「どうも、冒険者のユーリだ。好きな属性は無、好きな動物は鶴、好きな食べ物は肉だ。よろしく」
……うーん、さすがに無いな。孤独の道を覚悟したからって、自分からそっちに飛び込まなくていいだろう。チョイスが奇抜だし最後雑になってるじゃん。
誤解のないように言っておくと、今のは本当に言ったセリフじゃないからな。今は、1人ずつ前に出て挨拶をしている途中。さっきのは、自分の挨拶を考えていただけだ。
「はじめまして、Sクラスに選ばれました、フロースです」
ある女子生徒の声に、思考から引き戻される。
「得意属性は水、好きな属性は水と風です。貴族じゃないけど、仲良くしてくれたら嬉しいな……じゃなくて、です!これからよろしくお願いします!」
ふむ。風属性が好きとは、なかなか見込みがある。非貴族仲間として、仲良くしたいところだ。
今自己紹介していたのは、俺に目線を向けていた庶民服の女子生徒だ。最後に敬語をミスしたことで顔を赤らめている。
「はい、ありがとう。では、次に挨拶をしたい方、前に出てください」
前で仕切っているのはこのクラスの担任である女性だ。
「初めまして!私は今年度のSクラスを担当することになったクオーラ・ルーベンよ。遅れてごめんなさいね、ハゲジジイ共のセクハラが長くって……ボコボコにしてたら遅れちゃった」
という、ウィズィですら呆気に取られるよう自己紹介をしたクオーラ先生は、確かにセクハラを受けやすそうな大きい胸をしていた。……ちなみに、俺は胸は小さい方が好きだ。しかし、あって困るというものでもない。うむ。
その自己紹介の勢いのまま、生徒達の自己紹介は始まった。
順番は特になく好きなタイミングで前に出て、各々自己紹介をする。そのお陰で、残っているのは今やっているフロースと、俺だけだ。
「はい、ありがとうフロース。これからよろしくね。じゃあ……残りは一人ね。ユーリくん、お願いしても?」
「はい」
短く返事をして、席を立つ。無難にいこう。無難に。
「冒険者のユーリです。得意魔法は風と土、好きな属性は風。発展属性はまだ生えてません。よろしく!」
「短すぎない? ……まあいいわ、はい、ありがとう。じゃあ席に戻ってね~」
先生の言葉で、後ろの席に戻る。
席に戻る間、ウィズィがニコニコとこちらを見ていた。
「じゃ、初日だし連絡事項がいくつかあるから、ちょっと聞いててね~」
そう言ってクオーラ先生が話し始める。共通科目と、選択科目があり、基本的に自分で好きな授業を選んでいいらしい。その影響でどうやら、教材は後日販売されるらしい。自分に必要な教科書だけ買えということだ。
「あと、一週間後にクラス対抗戦があるから! 詳細はまた明日話すけど、今からクラスで友好を深めておいてね~」
期待通り、いろいろ楽しめそうだ。
評価お願いします。




