051 作戦
そういえば、気付いたら50話超えてましたね。めちゃくちゃ出したい敵キャラが居るんですけど、早くても3章になりそうで悲しい。圓朝さん……
さてさて、再びエーシャ達の住処に戻ってきた。学院の合格通知を届けてもらうために提出していた宿泊場所は宿の方を書いていたので、明日には戻りたいところだ。
……にしても。
「どうしたもんかね……」
「エーシャ達のこと?」
「まあ、そうだ。仮に、黒豹って組織と黒幕を潰したとしても、エーシャ達をこのままってのは……収まりが悪い。国と交渉して孤児院の設立辺りで折り合いを……いや、あまり口を出すのも良くないかな……」
話題に出てきたエーシャとミーシャは、意外に不安そうな目はしていなかった。なにか、覚悟を決めたような引き締まった顔。……子どもにさせていい表情じゃないな。
というかこれはそもそも、パーティを組んでるのに1人で決めていいことじゃないか。
「ルチルはどうしたい?」
「……なんとも言えないわ。私じゃ責任を取れないし。そもそも、裏に貴族がいると分かれば、泣き寝入りするのが普通よ。私もユーリがいなければそうしてた。その引け目がある以上、私から言えることはほとんどないわ……」
「そこはあんまり気にしなくていいんじゃないか?実際現実では俺がいて助ける目が出てきたし、Sランクになって無理も通せそうだし」
「まあ、確かに。Sランクといえば理不尽の権化。常人じゃ想像もつかない手段であらゆる問題を解決したり、しなかったり。変人ばっかりって噂よね」
「そうなのか?」
「ええ。今いるSランクは10人もいなかったはずだけど、全員が一癖も二癖もある……らしいわ。二つ名も変なのが多いイメージがあるわね」
「二つ名ってのもあるのか……じゃあ俺の二つ名は何になるんだ?」
「さあ? それを決めるのは、貴方の戦い方を見た他の冒険者や街の人よ」
冒険者ギルドが決めるわけじゃないのか。かっこ良さげな二つ名を付けてやれば、偶像としての人気は凄いことになりそうなりそうなのにな。
途中で話題をズラされた感じはあったが、ルチルが言った通り引け目のせいだろう。
「しかし……黒豹のアジトも分からないし、ミトコンドリア男爵の家がどこにあるのかも知らない。現状打てる手は多くないが……うん。エーシャ達の安全も考えたらこれしかないか」
「いい案があるの?」
「ああ。考えれば考えるほど良い手に思えてきたよ」
「詳細は?」
「まあまあ、まずは作戦名からいこう。題して……〈困ったら人に頼ろう大作戦〉だ!!!」
「……はい?」
うん。そうと決まれば……休憩しよう!!!
༅
日は変わり、今日は魔法学院入学当日。合格通知が届いたシーンは特に何も無かったから省かせてもらうぜ!……まあ、魔力が使えれば入学は確定だしね。
「ユーリ、居たわよ」
「よし、行こうか」
ルチルの報告を聞いてすぐ目を向けると、自分でも目視できたので迅速に目標に近付く。
「よ、元気か?」
「ああ、ユーリさん。私はいつも通りですよ。ユーリさんもSクラスになったようで。おめでとうございます」
ウィズィに声をかけると、気さくに返事を返してくれた。しかし、取り巻きはそうもいかないようだ。試験の時はいなかった連中だな。
「貴様! ラズダム公爵家の次期当主に向かって無礼が過ぎるぞ! 控えろ!」
従者か取り巻きか知らないが、ウィズィの反応からしてある程度の仲だと分からないものだろうか?
護衛としての反応なら分からなくもない……か?知らない奴が突然馴れ馴れしく近付いて来たんだしな。
「控えるのは貴方ですよ、ルーク。彼はSクラスの仲間というだけでなく、私と同格です。無礼を働いているのは貴方ですよ」
「ウィズィ様!? ……分かりました。大変申し訳ありません」
「すみませんユーリさん。平にご容赦頂きたく」
「気にしてないよ。敬語をやめた俺も悪いからな。ちょっと悪戯心が疼いて……すまないな」
「それこそ、気にしていませんよ。その口調になったということは、Sランクになられたのでしょう。喜ばしいことです」
相変わらず物腰が柔らかい奴だな。観察眼も良いし魔眼も持ってるから、なめていい相手じゃ無いのは分かってるが、警戒心が薄れてしまう。
「ウィズィ、後で相談があるんだが、時間取れるか?」
「ええ、問題ありません。というか、貴方にそう言われて断ってしまえば国王から怒られてしまうでしょうね」
「えぇ……俺そんな扱いなのか」
腫れ物を扱うように……というのは、少しひねくれすぎか。随分と丁重に扱われている。それだけ未来視を重要に思っているってことだろう。
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