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043 呼出

 朝飯を食べ終わったあと。エーシャが、ミーシャの分のご飯が載った皿を持ち、ミーシャが寝ているところへ持っていった。


 さっきの俺たちの戯れを本気にしたのだろうか。本気ではなくとも、試してみるのには賛成である。生命の維持に絶対必要な〈食〉の気配に反応する可能性は、弱っているからこそ高いかも、と思う。


「ミーシャ……」


 エーシャの落ち込んだ声から分かるように、ミーシャは未だ目覚めないようだ。さすがにルチルほど食に貪欲ではなかったか。そんなことを考えていると、ルチルから睨まれてしまった。こわ。

 ふと、ある事を思い出す。


「ルチル、よく考えたら昨日の依頼達成報告まだしてなかったわ。行ってくるわ」

「そうね。今のうちにお願いするわ」

「結界は張っておくから、外に出ないように気を付けてくれ。中に入れなくなるから」

「了解したわ」


 服に着いている『隠密』と、靴の『無音』の効果を起動して外に出る。常時発動の『気配感知』に不審な気配は引っかからない。見張りは無いようだ。


(アゲハ、一応ルチルに付いててくれ。何かあったら俺のところに)

(は〜い)


 警戒しすぎて悪いことはないだろう。何も無ければそれでいい。



 ༅




「頼む」

「……はい、確認しました。ユーリさんとルチルさんのお2人ですね。記録しておきます。……お2人とも、依頼をあと5つこなせばCランク昇格試験を受ける条件を満たしますね。頑張ってください」

「そうなんですか?ありがとうございます」


 ランクか。学院の入学試験に間に合うように調整していたから、旅の長さにしては依頼があまりこなせなかったのだ。ようやくCランクが見えてきた。ルチルは喜ぶだろう。

 報告を済ませたのでルチル達のところへ戻ろうとすると、受付嬢に呼び止められる。


「ユーリさん、ギルドマスターがお会いになりたいと仰っています。今時間のご都合が悪ければ、時間のある日を教えてください」

「……は? ギルドマスターが?」


 どういうことだろうか。悪いことをした覚えはないが……学院に通いながらだと冒険者はやれないとか?いや、そんなんでわざわざ組織のトップが出てくるわけないか。


「今からで大丈夫です」

「ではこちらにどうぞ」


 冒険者になってから、貴族の前以外ではずっと使わなくなっていた敬語がつい漏れる。動揺すると表情や仕草に出てしまうのは、前から直したいと思っている悪癖の1つだ。

 他ウンターの横にある扉をくぐり、階段から2階に登ってその奥の突き当たり。そこがギルドマスターのいる部屋のようだ。コンコン、と受付嬢がノックをする。


「ギルドマスター、指示のあったDランクのユーリさんをお連れしました……ギルドマスター?」


 中から応答は無いようだ。どうするのかと受付嬢を見ていると、無断で扉を開けた。

 嬢に続いて部屋に入ると、窓際のデスクに誰かが突っ伏しているのが見えた。


(死んでる!? 『鑑定』!)


 ────────────────────────

 〜ステータス〜


 名前:シリウス

 性別:男

 年齢:34

 種族:ヒューマン

 職業:ギルドマスター、剣士

 レベル:鑑定不能

 HP:鑑定不能

 MP:鑑定不能


 ・ベーススキル[P]

 鑑定不能

 ・ベーススキル[A]

 鑑定不能

 ・ギフトスキル[P]

 鑑定不能

 ・ギフトスキル[A]

 鑑定不能

 ・オリジンスキル[P]

  『対人調和』『自然体』

 ・オリジンスキル[A]

 無


 称号

「冒険者ギルドエリフィン支部ギルドマスター」

「セクハラじじい」「サボり常習犯」

 鑑定不能 鑑定不能 「進む者」────────────────────────


『鑑定』の表示の仕方から、死んでいないことが分かりほっとする。死んでいれば、スキルや称号などは見えなくなるのだ。

 というか。この世界に来てから変な奴としか出会っていないのは気のせいだろうか……

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