021 説
気付いたら1週間経っていた。だらだらしてたら一瞬だったな。寝すぎて頭が痛くなった時はさすがに反省したが、個人的には素晴らしい日々だった。最初に受けた依頼をこなした後は宿でゴロゴロしてただけだが、素晴らしい日々だったのだ。
そういえば、滞在2日目くらいに街の封鎖が解除されたらしい。昼メシを食いに外に出ている時に、たまたま豪華な馬車を目にしたが、封鎖解除を知らせに来た貴族街からのお使いだったんだろうな。まあ、俺には関係ない話だ。
この街からさっさと出ていこうって最初は思ってたが……めんどくさいし。いつの間にか、優先度は低くなっていた。この世界では地図は貴重らしく、旅もそれなりに危険が伴うらしい。そんな話聞いちゃったら出る気も無くなるってもんよ。
そんなこんなでうだうだしてたら、冒険者ランクがEに上がった。依頼を3つ達成したら上がったんだけど、早すぎないかな? 小説なんかだと1ヶ月くらいかかる描写がよくあるから、結構覚悟してたんだけどなぁ。
で、だ。惰眠を好きなだけ貪れた上に、『魔力創造主』でピザもポテチもコーラも自由に出せるときた。そりゃあもう宿の自室でパーティーしちゃうよね。いや、個人的にはコーラより天然水の方が好きだから水しか飲んでないし、そもそもポテチなんか食ってないんだが……話が逸れた。えーと、なに言おうとしたんだっけ?
あ!あ〜はいはい思い出した!そうそう!『魔力創造主』使ってる時に思ったことがあったんだよね。このスキルで作れるのは、物体。と、いうことは。
魔物とか、妖精やら精霊、果ては人間まで。この力で創ってしまえるんじゃないか。非人道的な考えだろうか? いかにもマッドサイエンティストが言いそうなセリフだし、「命の創造」ってワードは迫力はあるよな。
ベッドに寝転がったまま、天井の木目をぼんやり眺める。天井までスキルか何かで掃除しているのか、そこにはシミも傷も見当たらなかった。
「よし」
ということで。
今から創りま〜す。