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020 依

 ちなみに、Fランクの依頼が貼ってあるところは人が少なく、ゆっくりと依頼を見ることができた。選べる依頼はこんな感じだった。


 ────────────────────────


【制限】:Eランク以下、女性のみ、非常時用依頼

 〇食堂「エネスの宴」におけるサポートスタッフ

 ・フロアスタッフを主に担当。

 ・制服貸与あり。

【期間】1週間。働きぶりにより相談に応じる。

【報酬】一日につき銅貨3枚。制服を無くすなどの問題ごとに天引きあり。

 ────────────────────────


 ────────────────────────


【制限】:Fランクのみ、非常時用依頼

 〇ギルドに保管している薬草の在庫確認

 ・薬草の束が記録通り残っているか数えて確認してもらいます。

 ・ギルドの発行した依頼です。依頼主との問題が起こらないため初心者でも安心ですが、地味な依頼です。使えるスキルを持っている方は自由に使って良いですが、能力の確認はさせて頂きます。

【期間】約3日間。

【報酬】銀貨1枚。終わらずに延長しても、早く終わっても報酬は変わりません。

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 ────────────────────────


【制限】:Fランク

 〇教会裏の溝掃除

 ・道具は貸し出せますが、汚れてもいい服を自分で用意してもらうことになります。

【期間】依頼主に認められるまで。

【報酬】銅貨5枚。依頼主は一日で終わる想定のため、仮に数日かかったとしても報酬は増えません。

 ────────────────────────


 非常用依頼というのが半分以上を占めているが、おそらく街の出入りが制限されていることを非常時と呼称しているんだろう。

 俺が選んだのは薬草の在庫確認の依頼だ。ギルド側が初心者用と言っているんだし丁度いいだろう。



 ちなみに。夜なのに依頼を受けるのか?と思っている人もいるだろうからお答えしてあげよう。これは何も問題がない行為だ。

 当然だが、依頼を受けてすぐに掃除やら在庫確認やらを始めなければならないわけじゃない。受けた後に準備することもあるだろうしな。明日やろうと思ってる依頼を、前日の夜にあらかじめ受けておく。これが効率が良いというわけだ。それもあって、依頼が貼ってあるボードの前には常に誰かしらがいるらしい。


 実はこの時の俺は何も考えておらず、『依頼受領』の受付に列ができていることもあって全く疑問を持たなかったのだ。つまり、俺は空気が読める男だったということだ。




 ༄




「ふぃ〜ミアさん可愛くて変に緊張しちゃったよ」



 無事に宿を見つけることができた。今はその一室でくつろいでいるところだ。風呂こそないが、ご飯も美味しくて大満足だ。日本のレストランなんかと同じくらい美味しかったからな。俺は『魔力創造主』のおかげで地球のメシを食えていたから感動したって程ではないが、充分だ。



 寝る前に振り返りでもしようか。地図はまだだが冒険者にはなれた。まあまあ順調な滑り出しってとこだろう。

 ダンジョンで金は山ほど手に入ったし、手に入れたアイテムだけじゃなく、俺のスキルで創った物を売っても金は稼げるだろう。このギフトスキルがある限り、生活で詰むことはないだろうな。


 この街からは、さっさと出て行こう。そう切羽詰まったものでもないけど、門番に顔見られてるしね。冒険者ランクをEに上げたら出て行こうかな?


 で、だ。この街を出てどこに行く? 何をする? 正直特に希望無いんだよなぁ。魔法も使えるようになったし、美味しい飯も食った。……いや、魔術がまだあったか。タロットでの行使は多分、例外的なものなはずだ。特に形式的な準備とかしてないし……なんというか、タロット自体が持つ力って感じだった。



 いや、待て待て。そうじゃないだろ、俺は。ゲームやら小説みたいな世界に来たせいで、何かしないといけない気になってるんだな。自由になったんだから、何もしないことを選んだっていいんだ。



(とりあえず1週間くらいだらだら休むか……)



 って依頼受けちゃってるじゃねーか!!!

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誤字報告ありがとうございます。修正させて頂きました。

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