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115 四人選

「なんでやねん」


 思わずそう零したあと、相手が皇帝だということを思い出した。だが、別にもういっか、という諦め気持ちになっていたので取り(つくろ)うことはしなかった。


 手紙を読み終わった皇帝が俺達に 放ったのは、共闘の申し入れだった。なんでも、“寒波” を潰したいが1人だと都合が悪いらしい。

 少しとはいえ手の内を明かすその姿勢や皇帝自ら出陣しようとしている状況に驚いた俺は、ついついそんな言葉を(こぼ)したのだ。


「……皇帝は “寒波” の正体を知ってるのか?」


「……なんだ、急に言葉遣いが変わったな。いや、恐らく魔物だろうと踏んではいるが、違っていても中心には原因があるだろうよ。それを潰せばいいだけだ」


「それは確かに。離れた位置での魔力操作なんてほぼ不可能だからな、誰かが操ってる可能性は低いか」


「というか、皇帝ちゃんが迎え撃つなんて、今回の“寒波” のルートはよっぽど悪かったのね?」


 バレンタインが口を挟んでくる。こいつも、皇帝から共闘を頼まれた1人だ。よく分からんが、なぜか乗り気に見える。


「皇帝、ちゃん……まあいい、そうだな、今回の “寒波” は様子がおかしい。俺の国に向かって真っ直ぐ突き進んでんだ。いつものような、フラフラとした軌道じゃねぇ」


「そう……じゃあ最悪、別個体って可能性もあるわね? 本来の “寒波” が子をなして、今向かってきているのがその子どもっていう可能性とか」


「否定する材料は何も無いな」


 うだうだとやり取りをしているが、進展はまだ何も無い。中身のないやり取りだった。


「で? 結局、何人必要なんだ? 多ければ多いほど……って訳じゃないんだろ、選考の線引きがあるはずだ、さっさと吐け」


「……そっちが本性か? まったく、やりづらい……そうだな、最低3人、多くて4人だ。4人の場合は、俺が戦闘メンバーから外れて支援に回る」


 皇帝が提示した条件は意外にシビア。恐らく、使用するスキルに制限があるんだろう。そして、そのスキルはそれさえあれば “寒波” にも勝てると思えるだけの強力なものなんだろう。


「じゃ、アンタら3人組でぴったりだな。俺は休ませてもらうよ」


「……う~~~ん……ニコ、多分キツイわよねぇ?」


「だろうな。俺達が巻き込まれるのは確実だろう。俺としては、ユーリに入ってもらった方が助かる」


「んー? なんのはなしー?」


「……どゆこと?」


「この子の全力の戦いは周囲全部を吹き飛ばすやり方だから、1vs多数の戦闘に特化してるの。私とモア、皇帝ちゃんがまともに戦えなくなるの」


 ……幼い見た目ながら、強者2人の仲間として行動するだけの実力は持ってるって訳だ。こわ。幼女こわ。


「じゃあシロが入ればちょうどだな」


「ふこーへー。じゃんけんを要求する」


「ほう。よかろう」


「鼻をあかす」


「「じゃ~んけ~ん」」


「ほい」「ぽん」


 ゆるいかけ声と共に俺が出したのはチョキ。シロが出したのはグー。俺の負けだ。しまった、こういう時俺の運は絶望的に低くなるんだった。忘れてた。

 あーだこーだと抵抗し交渉を重ねた結果、結局、俺、シロ、バレンタイン、モアの4人がメンバーとして戦うということで決着がついた。


 冷たい風は好きだから凍土で戦わされるのも許そう。俺は優しさの塊だからな……

評価お願いします。


深夜に虫の羽音で叩き起され、耳元でブンブン鳴り続けるその音に再度寝付くことができず、顔面・腕・指・のど・あごに虫刺され痕ができて痒みを感じブチ切れているなうです。泣きたい。


それでは。

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