098 極凍土
色々あって疲れたので短いです。ごめんなさい。多分明日も短くなる気がする。
パキッ
……パキッ
先程まで穏やかな陽の光に照らされていた草原は、気付けば全く異なる様相を見せていた。風に揺れていた草たちは一瞬のうちに凍りつき、陽の光を浴びていた肥沃な土は、全く意味の無い存在へと変わり果てた。
少しずつ、少しずつ広がっていく凍土。それはまさに、侵食という言葉がピッタリと当てはまるものだった。
しかし、広がるという表現では不足している。全方向に拡がっているのではなく、誰かが一方向に塗り進めているような、そんな現象だった。
そして、その「誰か」は存在していた。その存在から一定範囲は凍土になる。だから、その存在が移動すれば凍土が広がるのだ。
ただ、それはつまり中心の存在が動く速度も相応に遅いということでもあった。
「あれを1人で倒すのはちょっとめんどくさいな。確かに強そうではあるけど、面倒くささが勝っちゃいそう……はぁ~、ボクが戦ってる間回復サポートしてくれる人がいたらなぁ。まいっか、アレを倒す為に七国から出てきた人と遊べばいーや!」
凍土の端に、不穏なことを呟く少年が1人。
凍土の縁から中心の存在まで、10km程の距離がある。にも関わらず、少年は中心の存在が見えているかのような物言いをしていた。
その少年は、1度くふふと笑うと踵を返し、浮かれた様子で数歩歩く。
次の瞬間には少年の姿は跡形もなく消え去り、後には凍土が広がるだけだった。
その存在にはどこか目的地があるのか、何か目的があるのか、知っている者はいない。ただ、このまま山も川も無視して真っすぐ進んでいけば、いずれ七国を飲み込んでしまうだろうことは明白だった。
崩壊の足音は躙り寄る。避けようのないそれは、天災か、天罰か。はたまた、自業自得か。
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誤字報告が来てて、嬉しくなりました。読んでくれている人、実在したんですね。
実感できるもの、手厳しい感想1件しか貰ったことないのでビックリしました。ありがとうございます。