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初日

村へ着くとそこで見た光景に私はとても驚いた。

背の高い樹木が、モンブランケーキの様に何本も束ねられている。


私はこの光景に思わず感激を覚えた。


「見事だ、これ程の物は10、20年ちょっとでは造れないだろう」


そうすると、ガーベラが自慢げに話す。


「ふふん、そうでしょ!木の習性を利用して巧く曲げるの!ドーム一つ造るのに100年は掛かるのよ!」


そうガーベラが得意げに話していると、「自慢話も良いがそろそろ飯にしないか?」と声を掛けられた。


ガーベラはご機嫌に鼻歌を歌いながら、嬉しそうにドームの中に入って行った。


私は「良いのか?何処から来たかも分からない余所者だぞ?」と言うと「良いんだ食事は大勢の方が賑やかで楽しいし、遭難して困ってるんだろ?なら助ける以外の選択肢なんて存在しないさ」と話した。


私は彼を直感的に、いい奴だと思った。


ドームの中に案内されて入ってみると、とても賑やかな光景が広がっていた。


床は加工された木材が敷き詰められ、壁や天井は、樹木が剥き出しになっている。


多くの人がここに行き来をして、様々な道具や食材を交換しあってる。


また酒場の様な施設もある事から、ここは村にとって交流の中心である事が解った。


私は体格の良い彼に、壁際のテーブルに案内された。


私はガーベラの前に座り、出て来た料理を食べながらガーベラと、その一同が私に質問してきた。


皆突然やって来た来客に興味津々のようだ。


私はジョークを織り混ぜながら丁寧に事の経緯を話した。

(半分は理解されなかった)


何処かも分からぬ所に飛ばされて先の事も見えない私を哀れんでか、皆色々便宜を図ってくれた。


食事が終わるとガーベラが私を、家に泊めてくれるようだった。


(いくら何でも無用心過ぎやしないかここの住人は?)案内された家は質素な造りの木造建築だった。


私は渡された御座の様な物を、床に敷いて眠りにつく。


毛布が欲しかったが、ここにそんな高価な物は置いてないとの事だった。


明日はこの島を案内してくれるらしい。


私はこの先どうなるのかという不安と、顔に張り付いてくる虫に悩まされながら深い眠りに就いた。

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