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こどもでもゆうしゃです。〜保護者は胃が痛い〜  作者: ちゃーき


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22/29

ティオの決意

前世の記憶について話した翌日。

ティオは、一人で考え込んでいた。

三人は、少し離れた場所でシロと遊んでいる。

「ティオ、浮かない顔だな」

ダリウスが、隣に座った。

「......昨日の話が、まだ心に残っていてな」

「そうか」

ダリウスは、空を見上げた。

「君は——この子たちのことを、どう思っている?」

「......どう、とは?」

「保護者として見ているのか? それとも——」

ダリウスは、ティオを見た。

「家族として、見ているのか?」

「......」

ティオは、言葉に詰まった。

2

「最初は——ただの保護者だった」

ティオは、三人を見ながら話し始めた。

「この子たちを、無事に守ればいい。それだけだった」

「......」

「でも——いつの間にか、変わっていた」

ティオの声は、震えていた。

「この子たちの笑顔を見ると——嬉しくなる」

「......」

「この子たちが泣いていると——胸が痛む」

ティオは、拳を握った。

「この子たちが傷つくのが——怖い」

「それは——」

ダリウスは、小さく笑った。

「親と、同じだ」

「......親」

ティオは、自分の手を見た。

「オレは——この子たちの、親なのか?」

「少なくとも——この子たちにとって、君は家族だ」

ダリウスは、三人を見た。

「そして——君も、この子たちを家族だと思っている」

「......」

ティオは、黙り込んだ。




「でも——」

ティオは、苦しそうに言った。

「この子たちには、本当の家族がいる」

「......ああ」

「パパや、ママが——元の世界で、待っている」

ティオの目から、涙が零れた。

「オレは——ただの、代わりでしかない」

「......」

「いつか——この子たちは、元の世界に帰る」

ティオは、拳を握った。

「そして——オレのことは、忘れるんだ」

「......本当に、そう思うか?」

ダリウスが尋ねた。

「......え?」

「この子たちが——君のことを、忘れると思うか?」

「......」

ティオは、答えられなかった。

「この子たちは——君を、家族だと言った」

ダリウスは、続けた。

「それは——決して、忘れられないものだ」

「......」

「たとえ、元の世界に帰っても——君のことを、ずっと覚えているだろう」

ダリウスの言葉に、ティオは涙を流した。




「ティオにいちゃん!」

ハルトが、駆け寄ってきた。

「どうした?」

「ハルね、おおきなおさかな、みつけたの! いっしょにみよ!」

「ああ、行くよ」

ティオは、涙を拭いて立ち上がった。

川辺で、ユイとレイアが待っていた。

「ティオにいちゃん、みて! おっきいよ!」

確かに——大きな魚が、川を泳いでいた。

「本当だ。大きいな」

「すごいね!」

三人は、目を輝かせていた。

ティオは——その無邪気な姿を見て、胸が温かくなった。

この子たちの笑顔を——守りたい。

ティオは——改めて、そう思った。




その夜、ティオは一人で考え込んでいた。

「もし——この子たちが、元の世界に帰ったら......」

ティオは、焚き火を見つめた。

「オレは——どうなるんだろう」

寂しさ。空虚感。

それらが、ティオの心を侵食していく。

「......でも」

ティオは、三人の寝顔を見た。

「それでも——この子たちを、帰してあげたい」

ティオは、決意を新たにした。

「この子たちの幸せが——オレの幸せだ」

だから——

「どんなに寂しくても——笑顔で、送り出してやる」

それが——自分の、役目だ。




翌朝、ティオは三人に声をかけた。

「ハル、ユイ、レイア」

「なあに?」

「オレは——お前たちを、絶対に守る」

ティオは、真剣な表情で言った。

「どんな敵が来ても——どんな困難があっても——」

ティオは、三人を見た。

「お前たちを——守り抜く」

「......ティオにいちゃん」

「それが——オレの、決意だ」

ティオの言葉に、三人は笑顔で頷いた。

「うん! ティオにいちゃん、ありがとう!」

「ティオにいちゃん、だいすき!」

「......ずっと、いっしょ」

三人の言葉に、ティオは涙を流した。

「ああ——ずっと、一緒だ」




出発の準備をしていると、ダリウスが声をかけた。

「ティオ、決意は固まったか?」

「......はい」

ティオは、頷いた。

「この子たちを——最後まで、守り抜きます」

「そうか」

ダリウスは、満足そうに笑った。

「それでいい」

「でも——」

ティオは、ダリウスを見た。

「もし、この子たちが元の世界に帰る日が来たら......」

「......」

「オレは——どうすれば、いいんでしょうか」

ティオの声は、震えていた。

「笑顔で、送り出すと決めました。でも——」

「不安か?」

「......はい」

ティオは、正直に答えた。

「この子たちがいなくなったら——オレは、どうなるんだろうって」

「......」

ダリウスは、少し考えてから答えた。

「その時は——その時だ」

「......え?」

「今は——考えても、仕方ない」

ダリウスは、ティオの肩を叩いた。

「今は——この子たちと、一緒にいる時間を、大切にしろ」

「......はい」

ティオは、頷いた。




馬車の中で、三人はシロと遊んでいる。

「クゥーン!」

「シロ! まてまて!」

ティオは、その様子を見て——小さく笑った。

この子たちと一緒にいる時間——

それは、かけがえのない、宝物だ。

いつか——この子たちが、元の世界に帰る日が来るかもしれない。

でも——今は、この時間を、大切にしよう。

ティオは——そう決めた。

それが——自分にできる、最善のことだから。



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