のんびりとした日
※昨日投稿設定ミスってましたすみません
朝日が、窓から差し込んできた。
ティオは、三人の寝顔を見ながら、小さく息を吐いた。
昨夜は、三人とも すぐに眠りについた。長旅の疲れもあったのだろう。
「......起こすか」
ティオは、三人の肩を優しく揺すった。
「ハル、ユイ、レイア。朝だぞ」
「んー......」
ハルトが、目をこすりながら起き上がった。
「......あさ?」
「ああ、朝だ。起きろ」
「ねむい......」
ハルトは、また布団に潜り込もうとした。
「ダメだ。今日も、旅を続けるんだから」
「えー......」
ユイも、目を覚ました。
「......おはよう、ティオにいちゃん」
「ああ、おはよう」
レイアは、静かに起き上がっていた。
「......ティオにいちゃん、もうおきてたの?」
「ああ。君たちより、少し早く起きた」
「......おつかれさま」
レイアは、小さく笑った。
ティオは、三人に服を着せ、顔を洗わせた。
「さあ、朝ごはんだ」
「やったー!」
ハルトが、元気を取り戻した。
宿の食堂で、朝食を食べた。
パンとスープ。質素だが、温かい食事だ。
「おいしい!」
ハルトが、パンを頬張った。
「ハル、ゆっくり食べなさい」
「うん!」
ユイは、スープを静かに飲んでいる。
「ティオにいちゃん、このスープあまい」
「ああ、野菜が入ってるからな」
「おいしいね」
レイアは、相変わらず静かに食べていた。
「......ティオにいちゃん、きょうはどこいくの?」
「今日は、ゆっくり進もうと思う。次の村まで、のんびり行こう」
「のんびり?」
「ああ。急ぐ必要はないからな」
「......よかった」
レイアは、安心したように笑った。
食事の後、一行は宿を出発した。
昼前、街道沿いの川辺で休憩を取った。
川の水は澄んでいて、小さな魚が泳いでいるのが見える。
「わあ! かわ!」
ハルトが、川に駆け寄った。
「ハル、危ないから気をつけろよ!」
「はーい!」
ハルトは、川の水に手を浸した。
「つめたい!」
ユイも、川辺に座った。
「ティオにいちゃん、おさかないるね」
「ああ、小さい魚だな」
「かわいい」
ユイは、嬉しそうに魚を見つめていた。
レイアは、川の近くの草原で、野花を摘んでいた。
「......きれい」
「ああ、きれいだな」
ティオは、レイアの隣に座った。
「レイア、花が好きなのか?」
「......うん。おかーさんが、おはなすきだったから」
「そうか......」
ティオは、レイアの頭を撫でた。
「お母さんに、会いたいか?」
「......うん。でも——」
レイアは、ティオを見上げた。
「ティオにいちゃんがいるから、さみしくない」
「......そうか」
ティオは、少し胸が温かくなった。
その時、ハルトが叫んだ。
「ティオにいちゃん! みずかけっこしよう!」
「え、水かけっこ?」
「うん! たのしいよ!」
ハルトが、川の水をティオに向かってバシャッとかけた。
「うわっ! ハル!」
ティオの服が、濡れた。
「あはは! ティオにいちゃん、びしょびしょ!」
「こら、ハル!」
ティオは、追いかけようとした——が、ハルトは素早く逃げる。
「まてまてー!」
「やだー!」
ハルトは、笑いながら逃げ回った。
ダリウスが、遠くから笑っていた。
「フフ、子供らしいな」
「......笑ってないで、助けてください」
ティオは、疲れた顔をした。
昼食の後、三人は草原で昼寝をした。
ティオは、木陰に座って、ようやく一息ついた。
「......やっと、休める」
ティオは、深く息を吐いた。
ダリウスが、隣に座った。
「疲れたか?」
「......正直、かなり」
「フフ、そうだろうな」
ダリウスは、三人を見た。
「だが、この子たちは幸せそうだ」
「......ええ」
「君のおかげだ、ティオ」
「そんな......オレは、ただ——」
「いや、君は良くやっている」
ダリウスは、ティオの肩を叩いた。
「自信を持て。この子たちは、君を信頼している」
「......ありがとうございます」
ティオは、少し気が楽になった。
三人は、静かに眠っている。ハルトは、寝言で「ライダーキック......」と呟いている。ユイは、安心した表情で眠っている。レイアは、静かに、穏やかに眠っていた。
「......可愛いな」
ティオは、小さく笑った。
この子たちを守る。それが、自分の役目だ。
午後、三人が目を覚ました。
「ティオにいちゃん!」
ハルトが、元気よく駆け寄ってきた。
「おなかすいた!」
「......さっき、昼ごはん食べただろ」
「でも、おなかすいた!」
「......」
ティオは、荷物の中から携帯食のクッキーを取り出した。
「これでも食べろ」
「わあ! クッキー!」
ハルトは、嬉しそうにクッキーを受け取った。
ユイも、近づいてきた。
「ユイも、ほしい」
「ああ、はい」
ティオは、ユイにもクッキーを渡した。
レイアも、静かに手を伸ばした。
「......レイアも?」
「......うん」
「はい」
ティオは、レイアにもクッキーを渡した。
三人は、嬉しそうにクッキーを食べ始めた。
「おいしい!」
「あまくて、おいしいね」
「......うん」
ティオは、三人を見て、小さく笑った。
こういう、何でもない時間が——一番、幸せなのかもしれない。
夕方、一行は小さな町に到着した。
町は、のどかで平和な雰囲気に包まれていた。戦争の影は、ここまでは届いていないようだ。
「わあ、おみせがいっぱい!」
ハルトが、目を輝かせた。
「ああ。少し、買い物していくか」
「うん!」
ティオは、三人を連れて、町の市場を歩いた。
果物屋、パン屋、雑貨屋——色々な店が並んでいる。
「ティオにいちゃん、あのくだものなに?」
ユイが、果物屋の前で立ち止まった。
「ああ、りんごだ」
「りんご......たべたい」
「そうか。じゃあ、買おう」
ティオは、りんごを三つ買った。
「はい」
「ありがとう!」
ユイは、嬉しそうにりんごを受け取った。
ハルトは、パン屋の前で立ち止まった。
「ティオにいちゃん、このパン、おいしそう!」
「ああ、焼きたてだな」
「たべたい!」
「......分かったよ」
ティオは、パンも買った。
レイアは、雑貨屋の前で、小さな人形を見つめていた。
「......かわいい」
「レイア、それが欲しいのか?」
「......でも、おかねが......」
「いいよ、買ってあげる」
「......ほんと?」
「ああ」
ティオは、人形を買った。
「はい」
「......ありがとう」
レイアは、嬉しそうに人形を抱きしめた。
ティオは、三人の笑顔を見て——胃の痛みも、少しだけ和らいだ気がした。
その夜、宿の部屋で、三人は買ってもらったものを眺めていた。
「りんご、おいしかったね」
「うん! パンも!」
「......にんぎょう、かわいい」
三人は、満足そうだった。
ティオは、窓の外を見た。
星が、きれいに輝いている。
「ティオにいちゃん」
ハルトが、声をかけてきた。
「きょう、たのしかった!」
「そうか。良かった」
「まいにち、こんなひだったらいいのにね」
「......ああ、そうだな」
ティオは、ハルトの頭を撫でた。
毎日、こんな日だったら——どれだけ良いだろう。
だが、現実は違う。これから先、もっと厳しい戦いが待っている。
それでも——
「ティオにいちゃん、だいすき」
ユイが、ティオに抱きついてきた。
「......オレも、君たちが大好きだよ」
ティオは、三人を抱きしめた。
この子たちを守る。それだけは、揺るがない。
たとえ、どんなことがあっても——
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