表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

二話 それぞれの思惑

なんてこったいさっき書いた文が消えちゃった、

のブルーな気分で書き直しました。


 翌日、少し早く目を覚ましたレムは、まだぼんやりした頭で立ち上がった。

鏡を覗き込めば、大きく腫れたまぶたが不恰好に両目へ乗っかっていた。

外出禁止どころか、こんな顔でアリシアに会うのはとてもじゃないが無理だ。

レムは少し目をこすって膨らんだまぶたを触ってみる。

情けなくてまだ、涙がでそうだった。

ルシアンが帰る前に、昨晩アリシアの事を伝えていたレムは、

会わない事を決意していた。

真剣な顔で会いたいと言っていたアリシアを思い出し、

レムはいたたまれない気持ちに苛まれた。


いつまでもふさぎ込んだところで、現状が変わるわけでもなく、レムは気持ちを切り替えた。

枕元に置いてあった着替えを引っ張り、寝巻きから着替える。

お腹は昨晩、ルシアンの好意をむげにしたことを後悔させたが、

まだ朝食を食べる気にはなれなかった。


朝食を呼びに来るまで、部屋で何をしていようか。

そう考えていたレムの頭に、屋敷のベルが響き渡る。

誰が来たかは、言わずもがなである。



「申し訳ありません、坊ちゃんは外出禁止ですので…」


ルシアンの声が聞こえた。

耳をふさいでいても自然にもれる声に怯えて、

レムは先ほど出たばかりのベッドへ潜り込んだ。


「そんな!明日は会えないのよ?」

「ええ、ですが主人のお言いつけですので」

「ねえ、どうにか声だけでも聞けない?」


ルシアンは少し考えた。

もし、シュツィアに見つかれば、自分はともかく

レムまで罰を受けるかもしれない。

しかし、ルシアンの考えは既にまとまっていた。


「どうか、坊ちゃんを元気にしてあげてください」


そうしてそっと、アリシアを招いたのだった。



 「アリシアは帰ったかな…」

レムは声が途切れた様子に気づいて、布団からゆっくり出た。

薄いカーテンを数センチ開き、外をうかがって見たが、変わらない町並みが広がって

いるだけだった。

明日、レムは神託の生け贄にされる。

過去、どんな手を使っても、その事実が覆ることは一度もなかった。

知らず、明日のことを考えるレムの手は震えていた。


そんなことを考えていると、不意にドアがノックされ、

レムの意識はふっとそちらに向かった。

朝食を呼びに来たのだと近づくと、意外な声がし、レムは立ち止まった。


「レム…?」

「あ、アリシア?!どうして、ダメだ、帰った方がいいよ」

「どうして?もう、会えないんだよ?」

「で、でも、父さんに見つかったら…」

「レム、アナタはいいの?それで?」

「え?」


突然、帰ったはずのアリシアの声に戸惑ったレムは、

ドアに近づき、少し潜められたアリシアの声を聞き取る。

アリシアはドアを撫で、優しい声音で告げた。


「一緒に逃げよう、レム。遠く、うんと遠くへ」

「アリシア」

「外から鍵がかかってる。今、助けるね!」


レムは言葉を失った。

神託から逃げるなんて、考えたこともなかったのだ。

カチャリと鍵が開く音がし、ドアが開く。

レムが声を掛けようとしたまさにその瞬間、

シュツィアが現れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ