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神獣妖人  作者: リアリス・リスタート
第一章 魔法使い編
7/8

謎の侵入者!?

担「ふー…あったかい…」


担は帰りにこたつを買い、その中に潜り込んで至福の息を漏らした。顔には心底リラックスした表情が浮かんでいる。


担「あの大釜より、こっちの方があったまる…」


先ほどの悪魔召喚用の釜よりも、こたつの方がよほど快適だと、彼はしみじみと呟いた。それはそうだろうな。


琥珀こはくくん!そうすると、帰れなくなるよ!」


突然、甲高い男性の声が響いた。担は顔を上げず、声の主を探す。誰もいないはずなのに、声だけが響き渡る不気味な現象に、担の眉がわずかに動いた。


琥珀「ええ!?じゃあどうすればいいんですか?」


担「(時空超えか…?だとしたら…)」


担はこたつに頬杖をついたまま、無関心に提案した。彼の思考は、すでにこの奇妙な現象の核心に触れていた。


担「…瞬間移動で通る」


琥珀「それだ!…それっ!」


琥珀がハッとしたように顔を上げ、次の瞬間、まるで何もない空間を通り抜けるように、店の奥から東洋風の豪華な衣装をまとった青年と、彼に続くように白い耳と尻尾を持つ少年が現れた。


李琳「やったね!出れ…」


琥珀「え!?誰!?」


琥珀が驚きの声を上げ、担を指差す。


担「…(シン) 李琳(リーリン)と…白狐びゃっこ) 琥珀こはく)か?」


担がぼんやりと呟くと、李琳が担を見た。


李琳「あ、確か、西の…」


担「南だ」


担の声が、一瞬にして冷たく、鋭くなった。その瞳には、明確な怒りの色が宿っている。李琳はピタリと口を閉ざし、気まずそうに目を逸らした。


李琳「そうだった。ごめんごめん」


李琳は平然とした様子で謝るが、担の機嫌は直らない。


担「妙に馴れ馴れしい奴だな…殺すか」


担がぞっとするような言葉を、真顔で呟いた。その場の空気が一瞬にして凍りつく。


琥珀「ご主人様になんてことを…!許せません!」


琥珀が李琳を守るように前に出て、怒りに声を震わせる。


担「退出エジェクト


担が、まるでゴミを捨てるかのように、軽く手を振った。次の瞬間、李琳と琥珀の体が宙に浮き上がり、そのまま店の壁をすり抜けるようにして外へと放り出された。


李琳、琥珀「「ぎゃっ!」」


二人の叫び声が外から聞こえてくる。


担「あー…あったかい…」


担は再びこたつに深く潜り込み、何事もなかったかのように至福の表情で呟いた。


担「(にしても、妖人と獣人が俺に何の用だ…?しかも俺の正体を知っていた…いや、知っていたから来た…?)」


担には、どうでもいいという気持ちもあった。だが、凛子の件、そして、先ほどの件。何か、繋がりがあり、大きな事件に巻き込まれているのではないか、そんな不安が、担の頭の片隅にあった。

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