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神獣妖人  作者: リアリス・リスタート
第一章 魔法使い編
3/5

(自称)美しき大魔法使い、北条凛子!

担「あんたのその目…」


担は相変わらず、信じられないものを見たかのように、大きく目を見開いたままだった。彼の視線は、凛子の顔から離れようとしない。


「あのー?ちょっと拘束を解いてくれないかしら?」


凛子が、どこか困ったような、しかし諦めを含んだような声で頼む。彼女の体は未だに縄に縛られたままだ。


担「いやだ。口も塞いでやろうか」


担は冷たく言い放ち、その顔には表情筋の一つも動かない。


「ですよねー…。」


凛子は、やっぱり、とでも言いたげな表情でため息をついた。すると、それまでの飄々とした態度から一転、担の瞳に鋭い光が宿り、真剣な趣になる。


担「あんた…名前は?」


担がふと尋ねた。その声には、先ほどまでの無関心さとは異なる、妙な響きがあった。


「私は美しき大魔法使い、北条凛子!」


凛子は、拘束された身でありながらも、どこか誇らしげに名乗った。その表情には、自称「大魔法使い」としての自信が満ちている。


担「あっそ」


「あなたが聞いてきたんでしょーが!」


担のあまりにも素っ気ない返事に、凛子は思わず叫んだ。彼女の不満げな声が店内に響く。


担「(無声呪文、読心マインド・リーディング)」


担は凛子から目を離さず、しかし呪文を唱えることなく、静かに心を読んだ。これは、相手に悟られることなく発動する、かなりの高等技術だ。彼の表情は変わらないまま、その瞳だけがわずかに揺らめく。


担「…なるほどな」


凛子「あなた、四季一族の末裔よね?」


凛子が、担の顔をじっと見つめながら尋ねた。その視線には、確信にも似た探求心があった。


担「四季…うちの従姉妹か。俺はなんか、おこぼれでこの店もらっただけ」


担は一瞬、何かを考えるように沈黙した後、驚くほど冷静に告げた。その言葉には、一切の感情が籠められていない。


「はあ!?じゃあ、その従姉妹とやらはどこにいるのよ!」


凛子は耳を疑うかのように叫んだ。彼女の顔には、苛立ちと焦りが露わになる。


担「黙れ。沈黙サイレンス


担は一瞥することもなく、凛子に沈黙の魔法をかけた。彼女の口は開くのに、声は一切漏れてこない。焦燥感に駆られた凛子の表情が、さらに歪んだ。


担がゆっくりと、その場で巨大な魔法陣のようなものを床に出現させる。それは、青白い光を放ち、複雑な紋様が刻まれていた。


担「転送テレポーテーション!」


担が呪文を唱えた瞬間、魔法陣のようなものから強烈な光が放たれ、その光に包まれるようにして、担と凛子の姿は音もなく、どこかへと消え去った。

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