第3話:駄賃を稼ぐ暇もなく
「はははっ、我らが帝国の栄光に! くもりなき始祖白帝ジルドラードに!」
「「乾杯……!!」」
「いや、はや……楽しみですなぁ……!」
「えーえ。プリエールの海産物を本場へ味わいに行ける、と。そのような美味しい話、聞き逃すわけにもいきますまい。二つ返事でしたよ」
「或いは、天銀の全身鎧を応接間に飾る事すらできるやも―――」
………。
それはさながら金貨を齧り、民の血をがぶ飲みするようなもの。
彼等は一般の村人や市民ではまるで手が届かないようなご馳走を喰らい、また銘酒を酌み交わしては意味もなくグラスを合わせ、硝子を鳴り合わせる。
半月経つのって、本当にあっという間だ。
帝都からの使者の来訪から暫くが経ち。
日常業務と物資の収集に追われていた僕の姿は、現在帝国南部の交易の要所である、領主のいない都市【キシリス】にあった。
帝国にもいくつか存在する、領主を持たぬ都市。
これらは中央から派遣された役人が年替わりで治めるもので、帝室主催の地方イベントや貴族の交流の場として利用されたり、仮に帝国内部で大きな功績を挙げたものの為の即時入居OKな空き家として取り置かれているものだ。
モデルハウス―――とはちょっと違うかな?
で、色々と準備をして、お嫁さんに行ってらっしゃいのキスも貰って、いざと赴いた話し合いの場が、現在がこんな感じの空気というわけ。
「これは、うぅ~む。亜人のオークが造ったとは思えない程に旨味の強い茶葉ですな……」
「近頃帝都で流行っている飲み方ですよ。度数の強い蒸留酒を少々、このドニゴゥ茶を並々と……。そして一息に……くうゥゥゥ……!!」
「成程、これは良い! 飲みやすく、するすると入ってくる上に食事にも合う」
「茶も酒も、百薬の長と言いますからなぁ。合わされば、まさに無敵」
「しかし、これ程旨い茶をよもやオーク種が農作にて作る時代とは。豚頭も侮れぬという事ですか。精々、土に頭を突っ込んでキノコを探る事が取り柄の存在だと思っていたのですが」
「「はははははっ!!」」
………。
戦に向けた調整だというのに、貴族たちの雅な事華やかな事……。
口を開けば他種族下げの帝国上げ、既に戦勝ムード、他の事とかどうでも良いからとにかく自慢話やら取引の事やら料理の事やら。
本当に彼等は戦いに向かう気があるのか?
或いは、戦争を遠足か何かと勘違いしているんじゃないか?
帰りてー。
「……あるじー、わたし帰って良いっす?」
「黙れ」
「いや~、ばーかばかしくなってくんじゃないっすか。んで俺らばっかりんな真面目に……」
「黙れ」
けどアルベリヒの言葉はセイロン……、紅茶じゃないよ?
教室で授業を受ける生徒たちが、「今に拳銃を持ったテロリストが学校を占拠するかもしれない」なんて馬鹿げたことを妄想しないのと同じ……帝国の要所であるこの場にいて、何者かが己らを襲撃しようなんて考える方がおかしく。
だからこその余裕。
退屈で堅苦しい会議より、こういうパーティー形式の方が良いと考えるのもまぁ人の欲としては健全。
今のアルベリヒは護衛の騎士ではなく、あくまで会議で説明する際の補佐役という名目で屋内へ連れてきているけど、実際この建物の内外共に帝国きっての精鋭中の精鋭が絶賛警護中なわけで、本来護衛を入れる必要さえない。
「ってかそのせいじゃないっすか? 今からでも外で暴動起こしましょうや。奴さんら、少しは真面目に話す気になるかも」
「三度目は言わんぞ。私にもお前を護ってやれぬ場合はある」
けどそれも正論なんだよなぁ……。
おふざけキャラの癖して正論しか言わないなこの騎士。
僕としても、いつまでもこんな雰囲気だと本当に何をしに来たのか自分でも分からなくなってくるし……。
「「―――――」」
と、急に賑やかだった屋内の雰囲気が変わり、騒いでいた彼等が息を潜める。
さながら、友達を呼んで好き放題やっていたところに親が帰ってきたような……。
「こ、これはギルソーン侯爵殿!」
「お会いできて光栄の極み……!」
事実、その原因は新たな来訪者によるものか。
「……! レイク様。あの方は……!」
先程の不満は何処へやら、打って変わって何故やらテンション高めのアルベリヒに耳打ちされて視線を向ける先―――身長は僕より高く、服の上からでは目立たずとも、しかし明らかによく鍛えられている事が伺える肉体。
警備の者に案内されるままパーティー会場……もとい大会議室へやってきたのは、蒼髪に翠の瞳を持つ美丈夫。
「帝国でもトップの武力を持つ、北部アルテシル領主、ギルソーン侯爵……。今回の遠征の事実上の最高責任者だ」
「おぉっ……!」
グレイバック・ギルソーン侯爵。
帝国の建国に携わった五つの名家の一角、その現当主。
陽炎の貴公子、燭台の大騎士、蝋の聖剣……帝国貴族において知らぬ者はいないとまで言われる存在であり、彼個人をモチーフとした冒険譚さえも出版され、その容姿も相まって大人気を誇る国民的英雄のような男性。
年の頃は既に40の半ばに達していると聞くけど、見た目ではまだ30に差し掛かったくらいにしか見えないな。
ヴァレットの元気さの秘訣と同じ―――これが魔素適合率の高さによる老化の減速。
つまる話、領主である彼自身がとんでもなく強いってコト。
今に扉を潜り現れた彼だけど、流石の楽観者たちもその姿を無視する事は出来ず、ある者は尊敬の眼差し、ある者は緊張の面持ちで迎える。
派閥違いで僅かな警戒を持つものこそいるけど、温室育ちの貴族ですらその能力自体を疑うものは誰一人としていない様子が、彼の卓越した力を証明しているだろうか。
「うああ……、蝋剣グレイソーン……モノホンだぁ……!」
うーん、このfan boy。
曰く、冒険者時代にも彼の事を色々と聞いていたらしく。
何なら彼がその道を志した原因の一端だ。
「昔もよく聞いたなぁ……。侯爵さまって最上位冒険者【赫焔眼】の姉弟って話ですよね。……直接見るん初めてですけど、やっぱ見るからに強そうな方で」
「本人自身もそうだが、持ち得る武力も帝国貴族随一だ。五名家の中で最も強力な騎士団を持ち、独自に軍も編成している。外の警備兵たちもその一端だろう」
帝室に仕える近衛である牙狼衆だって、その始まりは初代皇帝の騎士である最初のギルソーン家当主が率いた騎士達から取られたもの。
あの家は、代々続く強者の血統なんだ。
「けどやっぱそれって危なくないです? 大貴族が超絶軍隊持っちゃうって。反乱いつでもできるぜベイベー?」
「問題ないとされている。あの家は、帝国建国時より皇帝に絶対の忠誠を誓い続けている家だ」
ギルソーンの忠誠に、ジルドラード家の信頼。
互いの関係は、世界最硬金属の鉄晶より硬いと。
……さ、僕も挨拶いこ。
何故だか上位の貴族が向こうからやってくることに定評がある僕も、できれば自分から準備していくのが礼儀っていうものだ。
覚えがめでたくなるかも。
今に次々挨拶している者たちへと混じり、彼へと向かい。
やがて人が空いてくる頃を見計らい、声を掛ける。
「お初にお目にかかります。ギルソーン侯爵」
「む……、君は―――」
「レイクアノール・ユスティーアと申します」
「おぉ、君が……。お初に、伯爵。噂は私の耳にも届いている」
「私も、侯爵の幾つもの物語は、子供の時分より幾つも……。護衛の彼も、熱心なファンです」
「はははっ。皆、若気の至りを無駄に美化して困るな。……ほう? そのいで立ち、彼も元冒険者のようだ」
「お分かりになるのですか……?」
素で驚かされた。
なんつー観察眼。
鑑定スキルでもお持ちなの?
「ここ数年、君の話をよく聞くようになったが。成程、皆が噂するわけだ。私の若い頃のような……」
「いずれ、侯爵のような顔になれるのであれば更に素晴らしい事なのですが」
「ふ―――」
「学ぶべきものは多い、と。愛妻家でもあるという点も」
「くははははッ!」
顔が良い貴族同士、通じるものがあるみたいだ。
初対面にして、近年まれに見る好感触。
挨拶が終わってからも、僕は彼の前を辞すことはせずそのまま居座る雰囲気を見せ、彼もまたソレを自然のもののように振舞う。
初対面ながら、既に目と目で通じ合っている不思議。
……理解しているからだ、損得を潜めてまともに話せそうなのはお互いだけかもしれない、と。
「……。帝国は平和だ」
言葉に反し、呆れたような声を漏らす彼。
いかな上級貴族とはいえ、初対面の僕が真横で聞いているのに……流石、というべきか?
「果たして、この中に何人自分の手で刻んだ者の血を見た事のあるものが混じっているか」
「私も戦を知らぬ一人ですよ」
「かも、しれん。だが、重要なのは覚悟があるかどうか。伯爵を見ていれば、その有無ははっきりとわかる。君は迫られれば臆することなくそれができるだろう。家に仕えていると聞く、老齢の家令の事もあり……。確かに、よく似ているようだ」
「皆、我が家の家臣に興味がおありですね」
「私の場合はやや異なる視点かもしれんがな。ヴァレット・シュタイン……。その名はまさに冒険者の間では伝説の一つだ……、ふふ。また、会ってみたいものだが」
「今の私の興味は、君だ」
「―――は」
何か既に買いかぶられてる予感。
「もう聞いているかもしれんが。つい先日、帝都で正式に定められたこと。今回私は、当面の間帝国と聖国の国境を守護する任に付くことになった。―――司令官という肩書でな」
「えぇ……。つまり、留守役。国境沿いに陣を作りつつも、自身で前線へ赴いて手柄を立てる事は出来ず、ただかの国が何かの間違いでも帝国に火の粉を散らす事を防ぐ役割、と」
「遠慮ないな君」
いや、何か行けると思った。
彼―――ギルソーン侯爵は何処か気安さを感じる喋り方で、相手の警戒の壁を取り去る力でもあるらしい。
上級貴族らしからぬ、嫌味のない感じも……若い頃仲間たちと世界を巡って見識を広げてたって話、やっぱ本当なのか。
「私は中央より、今回の財布という大役をお任せいただいておりますので」
「ふっ……。気の毒だな、財布伯爵」
「いえいえ、留守番侯爵さまほどでは……」
「既にアノール領の国境沿いに駐屯地の候補を幾つか指定しています。また、物資面でも食糧や魔道具―――新型の、攻撃魔術を封じたスクロールの配布ができるかと」
「噂に違わぬ切れ者らしい。そして大胆だ。この機にデータ採取と販促、双方を狙うと」
「失った財布の中身を何処かから埋める必要がありますゆえ」
話していてわかるまとも具合。
平和ボケの中ではほぼ唯一かな。
武力介入に参加する貴族の中でも、本当にやる気の連中は今頃領で牙を研いでいるだろうし、ここにいるのはあくまで責任者として出ないわけにもいかない僕や侯爵、あとは楽観的な平和ボケだけだ。
つまり、腹を割れるのはこの御仁だけ―――、油断ならなそうな連中以外は、だけど。
「侯爵。私からも伺い事が。……急進派に属すドライフル男爵や、伝統派のムリランド子爵まで。この席はかなり異質なもののようですが」
「うむ、君の考えている通りだ。現在の状況はそう単純な、一つの思惑で動くものではない」
つまり、これは当初の予測……単なる皇太子殿下の実績づくりの一環ではなく。
「継承権二位たるマルグリット様を推す急進派と、第四位のホロクランス様を推す者たちが仕掛けたわけですか。中央とは恐ろしいものですね、はは」
継承権争いで、自身らが推す者を皇帝にしたい彼等にとって、今回の件は渡りに船。
もしも武力介入で大きな手柄が得られれば、或いは現在圧倒的なウェールズ皇太子の票を割れるかも、と。
或いは内乱への介入自体、彼等が画策したのかもしれないな……。
ま、僕とは関係ない話だ。
勝手にやっててくれ。
「派閥争い……。その域にすら達していない田舎貴族にとっては雲の上の話です」
「君は―――噂通り、そういったものを持っておらなんだか。オクターヴ公の令嬢が結婚したと話を聞いたときは驚いたものだが」
世間的には僕は義父である公爵の陣営という事になる筈だけど、ギルソーン侯爵のようにそれそのものに疑問を持っている者も多い。
結婚はしたのに、ユスティーアとオクターヴが密な連携を取っている様子が欠片もないからだ。
そもそも、ルクソールさまが継承権五位とは言え、彼自身にその気がないのは有名だし、あの家は中立派の筆頭みたいなものだし、僕自身何処かの派閥に入ったとかそういう話をした覚えは一度もない。
「私は私の目的に沿って動くのみ。派閥など考えている時間もありません。しかし、全ては帝国の利益に繋がる筈です」
「うむ……。君のような若者は見ている分には面白い」
「また、新たな驚きを届けてくれることを期待するぞ」
―――やっぱり彼等、僕をビックリ箱か何かと勘違いしている節があるな。
………。
ギルソーン侯爵とのやり取りの後、まるで予行演習でもしていたかのように、何の滞りもなく終了する形ばかりの会議。
それこそ、戦自体へさしたる関心がない証拠だろう。
僕としては侯爵と面識ができただけでも十分すぎる収穫。
期待していなかった身としては、むしろ望外の利だ。
「―――と、そう思う事にしよう」
「っすか」
「裏話も聞けたしな。ウェールズ殿下が皇帝になる事を阻止したい者たちが徒党を組んで他の候補者たちを後押しした結果、というわけだ」
「やべええっすね」
実際、静脈の血くらいドロドロだった。
僕の知り合いの中で最も継承権が高いのはルクソールさまで第五位……、分家筋の彼がここまで高い事からも分かると思うけど、継承の順位ってとにかく実力主義の面が強く、功績如何によって結構変動するものだ。
だれもがワンチャンある、っていうのは現皇帝の言葉(意訳)
ある種、帝国の伝統的なものだ。
「―――うまっ」
同じ馬車の中。
護衛として同席しているアルベリヒはキシリスの名物である飴細工を堪能している。
肉や酒も好きだが、甘党でもあるらしい。
僕としては各国から取り寄せたハーブを用いたノド飴が中々に気に入った。
「食べ過ぎるなよ。土産の意味がなくなる」
「うーい」
ガリガリガリガリガリガリ……。
本当に分かっているやら。
ま、折角大都市に来てるんだから、名産の一つや二つは持って帰らないとね。
マリーたちは喜んでくれるか。
村々や、エルフの所にもっていっても喜ばれるかもしれない。
果糖とハーブ、変わらない製法で作る自然な甘さだ。
「ボリボリ―――、さっきの話っすけど、継承権持ちの中でルクソールさまから上は全員本家の人間なんですよね?」
「そうだな。もれなく優秀だ」
ウェールズ殿下が21歳でお嫁さんの一個上。
他の候補者たちも、全員が若く……まだ十代後半が大多数。
それでも、全員が継承権の上位に位置するだけのものを持っている。
「探られて痛い腹がある身としては、国境沿いとはいえ面倒にも程があるわけだ」
「今回の件で彼等を領内に呼び込んで、本当に奥の村は大丈夫なのですか?」
「レニカがいるだろう」
「……我々の守りとかは」
「彼女は私の家臣ではない。アノール領は、自らの足で立ち続けなければならない。そうでなければ、必ず崩壊を招く」
スクロール商売のこと以外で僕からレニカへ何かを注文することはない。
それは、彼女に頼る事をしてはいけないと理解しているから。
もしその時があるのなら、それこそ相応の対価が必要だろう。
悪魔との取引、というべきか。
「……寒気が。危なくなってきたな。アルベリヒ、外の見張りを頼む。ネズミの子一匹見逃すなよ」
「りょーー」
流石に帝国の交通の要所で盗賊行為を行う輩とか魔物が出るとも思えないし、かのギルソーン侯爵家の守衛とか街道を見張ってる中で襲撃を仕掛けてくる命知らずの暗殺者がいるとも思えないけど。
一応、お嫁さんの「嫌な予感」というのもある。
備えておいて損はない―――、っと!?
不意に馬車が大きく揺れる。
それなりの速度で進んでいたゆえの、急ブレーキの産物だ。
少し前にも同じような事があったが……。
「ヨーゼフ」
前方の小さな木製窓を開いて覗くと、振り返る御者兼庭師の男は冷や汗を浮かべ。
「も、申し訳ございません! 旦那様!」
「野生の宣教師でも現れたか?」
「は、はい……! 仰る通りで。野生の―――、……え?」
ゴメン今のなし。
どうやらまだこの間の件が頭に残ってる。
ヨーゼフが急ブレーキなんて、本当に珍しい事なんだ。
「ネズミが横切った様子で。元より何か気が立っていた―――いえ、怯えていた様子の馬が、いう事を聞かず。このような事が決してないようにいたしますので……」
「よい。君の腕は私が一番知っている。むしろ、君でなければ大事故だったと思っておこう」
「感謝の極み……。しかし、このような事は殆どない筈なのですが……」
小動物が急に横切る偶然。
その程度で大きく混乱した、興奮状態だった馬の不自然。
様々な不自然が重なった結果か。
再び馬車の小窓を閉め、一人の車内で溜息をつく。
……いや。
冗談だろう?
「よもや、本当に厄日だったのか? 次は雨でも降り始めると……、ん?」
本当に雨か。
それとも考え過ぎによる幻聴か。
雫が垂れるような音が、移動する馬車の内部では聞こえないような音が、しかしハッキリと耳を打って……。
……雫、だと?
しかし、いま確かに何かが膝に滴って床に……。
違和感に視線を下げれば、揺れる馬車の床、その木目としても不自然な赤色の雫。
それらが小さな水溜りのようなものを作っている。
「―――ッ!?」
気付かなかった……何も、見えなかった。
分かるのは、舞い、床に流れていく夥しい鮮血が―――僕の身体から流れ出た物だという事。
口ではなく、その更に下……首筋。
「……………ぁ、ぁ」
「動脈を断った。痛みはない。微睡みのままに……、逝け」
………。
……………。
首に手を当てようとしても、身体が動かない。
痺れ薬を盛られたかのように硬直し、そのまま床がせり上がってくる。
崩れ落ちて床に倒れ込み、急速に意識が遠くなる中で、冷たくなりゆく意識の中で理解できる。
「―――か……、っ……、……」
まだ……、と。
言葉を絞ろうとしても身体に満たされるのは血の熱さだけ。
自分が只の肉の塊になりゆくのを感じて。
………。
また、別れの挨拶すら……。
いやだ……、嫌だ。
僕はまだやるべき事が―――目標が、野望が……大切な人が。
また、悲しませちゃうのかな。
………ゴメン。
これ―――、絶対に死んだ。




