表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切られた聖女は、捨てられた悪役令嬢を拾いました。それが、何か?  作者: みん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/58

6 納得いかない事

「ミヅキは、日に日に聖女の能力のレベルが上がっていくわね!」


と、ニコニコしながら私にタオルを渡してくれるのは、旅の同行メンバーの1人、魔道士のフラヴィアさん。金髪にピンク色の瞳。ピンク色!!初めて見た時には、失礼ながらも二度見した。可愛らしい人で気さくな感じだけど、何故かフラムは彼女の側には近付かない。相性が悪いのかもしれない。


「ありがとう、フラヴィアさん。そう言えば、今日は見学のご令嬢が多いですね?」


私達は、王城の敷地内にある訓練場で訓練をしていて、毎日ではないが、週に2回程、訓練が見学できる日がある。その日は、騎士目当てにやって来るご令嬢が居るけど、今日は特に多い気がする。


「あぁ、それは───」


「「「「きゃ───っ!!」」」」


「え!?何!?」


フラヴィアさんとの会話の途中で、悲鳴に近い黄色の声が訓練場に響き渡った。

驚いて、その声の方に視線を向けると


「あぁ………なるほど………」

「そう。()()が、見学のご令嬢が多い理由よ」


“アレ”─とは─────


「こんにちは。聖女様」


そう言って、ニッコリ微笑みながらやって来たのは、ブラントさん。ダークグレーの短髪に、葵色の瞳をした……所謂イケメン30歳。


「…こんにちは」


ブラントさん目当てのご令嬢が多い理由は、イケメンだから─だけではない。彼は公爵であり第一騎士団の副団長であり……王弟でもあるからだ。しかも、嫁どころか婚約者も居ないらしい。ただし、程よく遊んでいるそうだ。

そんなブラントさんは……私は苦手だ。あまり近寄りたくないタイプの人だ。なのに、第一騎士団の副団長と言う事もあり、ちょくちょく聖女(わたし)に声をかけて来るのだ。子供扱いだけど───。


「叔父上!」


王弟ブラントさんを叔父上(そう)呼ぶのは、この国の第二王子であり、旅の同行メンバーでもある魔道士のミリウスさん18歳。プラチナブロンドの髪に、この国の王族特有の紫色の瞳をしている。


「ブラント殿下、ご足労いただき、ありがとうございます」

「ありがとうございます」


ブラントさんにお礼を言ったのは、同行メンバーで、第二騎士団所属のジュリアスさん、金髪に青色の瞳のイケメン25歳と、第一騎士団所属のバーナードさん、赤髪に茶色の瞳のイケメン25歳。


『ご足労』と言う事は、私が知らなかっただけで、ブラントさんが、今日の訓練に来る予定だった─と言う事なんだろうけど……


ーきっと、知らなかったのは私()()だよねー


はぁ…と、ソッとため息を吐く。

ソレが意図的なのかたまたまなのか、私()()に情報や知らせが無い事がたまに……よくあるのだ。


ー私、頼まれてやって来た聖女だよね!?ー


と、何度心の中で叫んだだろうか?その度に、アイルとフラムが戦闘態勢に入ってしまう為、宥めるのが大変だった。そんな扱いに慣れてしまったのか、私も以前程イラッとする事もなくなった。


ー色々と、納得していないところはあるけどー


「聖女様、訓練はどうですか?無理な事を言われたりさせられたりはしてませんか?」

「はい、大丈夫です。皆さんには、よくしてもらってますから」

「なら良かった。では、聖女様には少し休んでいただいて、今から騎士達に訓練指導させていただきますね」


そう言って軽く頭を下げた後、ブラントさんは騎士達の居る方へと歩いて行った。

どうやら、今から騎士達の訓練が始まるようだ。

私とジェナさんは、訓練場にあるベンチに座り、その訓練の様子を見学する。

その訓練の間、ずっとご令嬢達からは黄色い声援が飛んでいた。何とも元気なご令嬢達だ。


そして、2時間程行われた訓練が終わると、いつものようにブラントさんが私の元へとやって来て「お送りします」と言って、ニッコリ微笑んだ。


ブラントさんが訓練場にやって来ると、訓練が終わって帰る時は、必ず私を城内にある私の部屋まで送ってくれるのだけど────





()()()、何故、俺が訓練場に来た時、驚いたんだ?」

「……驚いてませんよ?」


さっきまでの紳士的な対応をしていたブラントさんは何処へやら……。2人きりになると、本性?を現すかのような口調と態度になる。“聖女であっても、取り繕う必要がない”と、判断されたのか……兎に角、いっその事、その態度が清々しくて、イケメンであってもある意味信頼できるかもしれない。


「どうせ、()()俺が来る事を知らされてなかったんだろう?」

「………別に、知っていてもいなくても、問題ありませんからね」


ー言いたい事はいっぱいあるけどね!?ー


「お人好しなんだか……馬鹿なのか……」

「馬鹿じゃない!──はっ!すみません」


聖女は、相手が王族であろうと、身分は気にする必要はない。様呼びも必要はない。敬語も必要ないと言われてはいるが、そのまま丸っと鵜呑みにしてはいけないと思っている。


「ミヅキが謝る必要はない。非礼を働いているのは……こちら側だろうから……」

「ブラントさ──」

「ま、お子様だから、知らせなくても良いと思われているのかもな?」


と、ニヤリと笑いながらポンポンと頭を叩かれた。



ーやっぱり、納得いかない!ー






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ